ヌマエビ(シュリンプ)の育て方のヒントを初心者でも分かり易く。

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ヌマエビ飼育が上手くいかないのは原因と結果がある

ヌマエビ飼育が上手くいかない原因と結果

 本格的なアクアリウムを作ろうと思えば誰もが一度は経験するのが、ヌマエビ類(シュリンプ)の飼育です。代表的なヤマトヌマエビやミナミヌマエビから、ビーシュリンプ、ミゾレや手長、ヌカエビなど種類も豊富。

「エビは可愛いし財布に優しい」とか「コケが増えたから食べてもらおう」なんて理由で始める方がほとんどじゃないでしょうか。

 ただ、熱帯魚で大丈夫だった水質環境がエビじゃ耐えられない状況は多々ありますし、初心者であるほど、エビ飼育で失敗する事も多いです。
 しかも「なんで死んじゃったんだろう」と原因を考えても、最初のうちは全く分からないもの。やはり私もそうでした。

 健康で元気にコケをついばむヌマエビの環境を作りたい。

ミナミヌマエビの元気な様子

 そこで、エビの体調が落ちる原因について、私の経験が少しでも悩みを解決するヒントになれば良いなと思い、実際の体験から得た元気に育てるコツや体調を崩す要因と結果を書いてみます。

(ちなみに我が家のエビはミナミヌマエビと、背のフォルムが少し角張ったミゾレヌマエビです^^)

エビは急激な変化に弱い

 エビは水質や温度の影響を受けやすく繊細です。
 だから、水槽環境が特に問題がなくても、買って来て水合わせをしないだけでも、ストレスで死んでしまう場合があります。
 知ってる方も多いと思いますが、水合わせとは、pH(ペーハー)や水温など微妙な水質の違いに慣れさせるため徐々に水を混ぜていく方法です。

ヌマエビのpHと水温の水合わせ

 熱帯魚を投入するとき、買って来たビニール袋ごと封をしたまま水面に浮かべて、水温を合わせるのも水合わせですね。

 pHの変化に敏感なエビの場合、上記の水温合わせだけでは上手くいかない時に、さらにこの点滴法も行うと安心。水槽の水を徐々に混ぜて慣らしていきます。これは神経質な魚にも適してます。

 添加する水量調節にはエアチューブとチューブ用コック(弁)が安くて使いやすくお手軽です。私は家にあった適当な二股分岐弁を使ったりします。

エアチューブ用二股分岐弁コック

 要は水量を調節できれば良いので、クリップなどでチューブを挟んで調整する人もいるみたいですね。
 私は1秒に3、4滴くらいは入れちゃうのですが、1〜2時間かけてやる方がより安心です。

 点滴法の注意点は、水温が下がる寒い時期は少し早めに水滴を落としたりヒーターで冷えないように気を付けます。

 また、ショップと自宅の水槽状況によって断言はできませんが、既に元気な生体のいる水槽であれば大抵の場合、pHショックの可能性より温度の急激な変化の方がよほどエビへの影響が大きいです。エビは1〜2度の温度差でもびっくりして体力が落ちます。
 ですから点滴法で上手く温度管理できない場合は、生体の入った袋ごと水槽に2時間くらい浮かべて、しっかり水温を合わせるだけにしておいた方が無難です。

ヌマエビ水槽の水換えは慎重に

 水温と水質の変化に敏感なヌマエビには、水換えも大きなダメージを受けやすいです。

 基本中の基本として、水道水を使う場合の“カルキ抜き”は絶対必要。
 「知らなかった!」なんて人はあまりいないと思いますが、水道水の殺菌効果がある塩素はエビの大敵。必ず規定量のカルキ除去剤で塩素を無害化します。

足し水の水温は正確に!

 次に、水換えの時に新しく追加する水の温度は、水槽の設定温度と同じに合わせるのが鉄則。
 ヌマエビはたとえ1度の温度差でも過敏に反応しますから、同じ温度を作ります。

 ここで手を抜いて失敗するパターンが非常に多いです。

「2〜3度くらいなら誤差があっても大丈夫でしょ」なんて思ったら大間違い。温度差があるとエビは水槽内を大暴れします。
 バケツに汲み置きしてヒーターを投入するなど、誤差±0、5度くらいの範囲まで水温を作るのがベストです。

 ヒーターで水温を調節する場合、プラスチックや樹脂製(ポリプロピレンなど)バケツを融かしてしまわないように、カバー付きヒーターを使います。
 また、温め終わったあと、電源を抜いてすぐに水から出すとヒーターが壊れますから注意。

 私は給湯器で温めたお湯と水でぴったりの温度を作っています。
 ちなみに水槽とバケツで使う水温計が別の場合、計る水温計の精度が極端に酷いこともあります。。

水槽水温計の誤差が大きい

(右は26度、左は24度をちょっと下回る値)

 安い商品だから仕方ないのかもですけど、誤差が2度以上も。
 一時期、水換えでどうしてもエビの体調が悪くなるので試行錯誤した結果、けっきょく原因はこれでした。。

 一度、同じ水槽内に沈めて、どのくらいの誤差があるか確認しましょう。

 ちなみにヒーターでも商品によって温度差が大きい可能性があるので、一度確認すると安心です。

水道や給湯器の重金属成分

 給湯器を使う場合、給湯配管に銅管を使ってる事が多いので、銅イオンに注意します。
 塩素はもちろんのこと、状況によっては水道水の配管から溶け込む有害な重金属成分がヌマエビに影響を与える事も多々あります。

 近年の新築住宅では宅内給水管にポリエチレン管や塩ビ管など重金属が溶け出さない樹脂管になっていますが、昔は鉄管や銅管を使っている時代が長くありました。そのため、鉄や銅イオン、鉛などの重金属が水道水に微量に溶け込んでいることがあります。

 これが人間にはほぼ影響がない濃度レベルだとしても、ヌマエビには有害です。
 重金属を中和してくれるカルキ剤を使ったり、それでもエビの体調が改善しないときは浄水器の水を使うのもおすすめです。

 ちなみに、水道管から溶け込む重金属は蛇口を開けて少し放水した後の水を使うと、多少は緩和されます。

水槽と水道水のpH誤差

 上記の事をクリアしても水換え時にヌマエビの挙動がおかしくなる時は、水道水のpHを疑います。

 水道水の水質基準値はpH5.8〜8.6の範囲と決められていますが、この許容範囲差でもエビにはダメージを与えます。
 自分の家の水道水が酸性もしくはアルカリ性に大きく傾いてる可能性があるので、pH試験紙等で調べてみて、水槽のpHと大きく差がある場合は注意です。


 エビはpHの急激な変化には弱いですが、徐々にであれば思ったより対応範囲は広いですから、足し水を極ゆっくりと行うのも良いです。

早めの点滴法で足し水

 点滴法で足し水すると、生体へのストレスを減らす事ができます。
 点滴法といってもかなり早めのチョロチョロくらい。

ミニ水槽の足し水(給水)方法

(ホースが汚れててお恥ずかしい。。)

 容量の少ないミニ水槽などは、水換えで水質が大きく変わってしまう事もありますから、ザザーッと流し込んで追加するより、水を循環させながらエアーチューブなどでゆっくり足していく方が、エビも気にせずコケをツマツマし続けてくれます。

ヌマエビは水温低めが好き

 ヌマエビは水温に敏感です。

 熱帯魚用のヒーターというと26度設定のものが多いですが、実はこれでも本来の自然環境から比べると高いくらい。自然界に近い23度〜24度くらいが本当は丁度いい温度です。
(※26°設定だから体調を崩すという意味ではありません。私も26度設定ですし、26度で一定に保っていれば別に問題はありません。)

 水槽に入れるタンクメイトとして人気のヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどは、熱帯魚とは違い、冬がある日本の河川に生息してるくらいですから、正直、かなり冷たい温度でも生きていけます。

 なので夏場の暑い時期に水槽の温度が28度以上になってくると、熱したエビのように体が赤白くなりバタバタと死んでいきます。
 ヤマトなどは暑さで水槽から飛び出してしまい、ひからびて亡くなってる事も。

 そうならないためにも、夏の温度調節はエビ飼育にかなり重要なポイント。

 もちろんこれは小エビに限った事ではなく、大半の熱帯魚や水草にとっても30度なんて野生環境に住んでいた訳ではないので、葉は溶けるように枯れてしまうし、魚の体力も奪っていきます。

 また、目に見えない大きな変化として、水槽内の水を浄化してくれている微生物も30度以上ではどんどん死滅し始め、水質が一気に悪くなります。

 ヌマエビのいる水槽では23度〜26度の範囲内で常に一定の温度を保つようにします。

暑い夏の水温を下げる方法と種類

 暑い時期の水温を下げるには、予算があれば水槽用クーラーや部屋の室内エアコンで室温を下げるのがベストです。でも、水槽クーラーも意外と値が張りますし、水槽を設置する場所によってはエアコンが使えない事もあります。

夏用冷却ファンぴたっとファンサーモプラス

 そういう場合は、水面に風を当てる冷却ファンタイプのものやエアーレーションで気化熱を利用して水温を下げたり、逆に蛍光灯照明の熱や日当り、風通しの悪さなど、水槽の温度を上げる原因を排除するのも大きな効果があります。

 ちなみに我がミニ水槽も玄関にあるので、エアコンは無理。水槽用クーラーも総水量20L程度で使うのは勿体ないと、現在は冷却ファンと照明消灯などで対処しています。

 照明のオンオフ設定は、自動管理してくれる電源タイマーに繋げると、“朝点灯して正午辺りの暑い時間は消灯、夕方点灯して夜中に消灯”なんて細かい管理も自動でしれくれるのですごい便利です。これは持っていて損は無いおすすめアイテム。

水槽に電源オンオフタイマー

 私が使ってるものはREVEXの「簡単デジタルタイマー」で型式がもう古いタイプですが、何年も毎日ちゃんと動いてくれてます。


CO2供給し過ぎで中毒(酸欠)

 水草優先の水槽にありがちなのがCO2供給のし過ぎによる二酸化炭素中毒(酸欠)です。

 CO2なんてどこにでもある有り触れた気体なのに、濃度が高まるとこれ、我々が考えている以上に毒性があり、大気中の二酸化炭素濃度が7%以上になると人間でも数分で意識不明、その状態が継続すると麻酔作用による呼吸機能停止で死に至ります。
 これは、大気中に酸素が通常通り約20%ほど存在していてもです。

 まあ、自然の大気全体のCO2割合は現状たったの約0.03%ですから、7%なんて濃度が濃い状態は通常は考えられませんが、水槽内では違います。
 なにせ、強制的に添加してるんですから。

 ちなみに勘違いされてる方も多いですが、酸素より二酸化炭素の方が圧倒的に水に溶けやすいです。

 アクアリウムの水温設定に近い25度(1気圧)で、酸素より約28倍も二酸化炭素の方が溶け込みます。そのため、CO2添加で魚やエビなどの生体が死に至る濃度に上げる事は案外簡単です。

 参考として、水槽の水に溶け込んでいるCO2量が20mg/l以上になると魚に有害となるそうですが、添加する時の拡散器の気泡がそれほど非常識な量じゃないように見えても30mg/l以上の濃度はすぐ達します。特に水草が少なかったり水槽が小さければなおさら。
 現に水草のみの水槽なら、照明点灯時には30mg/l状態を維持し続ける玄人の方もけっこう居られます。そういう水槽には水草がぎっしり敷き詰められていますが。

「あれ?曝気作用でCO2はすぐ抜けるんじゃないの?」と思った人もいるかもしれません。(曝気とは液体に空気を触れさせること)

 実は、バケツなどに溜めた水を長期間そのまま放置し、安定した平衡状態のCO2濃度は水温25度で約0.5mg/l程度。大気中の二酸化炭素の割合はたった0.03%と希薄なので、いくら水に溶けやすいと言っても、大気と触れている水面では徐々に放出されます。
 だから、曝気を促すエアレーションとCO2添加を一緒に行うのは意味が無いと言われるわけです。

 水面から空気中に自然放出されるより強制添加で溶け込こますスピードの方が速ければ、CO2濃度が上がっていきます。

「じゃあ、どのくらい添加すれば良いの?」

 Tetraの「テトラテスト溶存CO2試薬」では、生体のいる水草水槽で5mg/l〜15mg/lくらいが良いとされていますが、こればかりは水槽の大きさや水草と生体の量、pHや水硬度でも変わってきますから一概には言えません。

 15〜20mg/l程度が一番水草が元気に育つという人もいますが、私は水草量に関わらず照明点灯時に5〜10mg/l程度を維持するのが、水草の生育にも充分ながらエビに影響しない理想値としています。

エビ飼育は観察で対応を決める

 ひとえに、このページのメイン主旨はエビ飼育ですから、どのくらいのCO2添加が最適かはエビの様子を観察するのが、一番分かり易いでしょう。

 エビの健康状態は、口回りと手の動きで見ろと言われます。
 場所をほとんど動かなくても、引っ切り無しに口と手を動かしコケをツマツマしている姿が元気の証。

 逆に、一カ所に留まらず激しい程に泳ぎ回ったり、口も体も動かさずにじっと静止している状態などは、苦しんでたり元気が無いと疑いましょう。ただ単に水槽を覗き込む我々人間を警戒してるだけの時もありますが。

エビの仕草と健康状態

 あと、水面付近にエビが集まっている時も、水温が高過ぎたり水槽内が酸欠気味だったり、良くない場合があります。
 この一番効果的な対処方法は、すぐにエアーレーション、もしくは適度な水換えです。

 水換えの場合、焦って大量に水を換えるのは止めましょう。水質の変化に弱いエビには、水換えの環境変化もダメージになり得ます。

 ちなみに、ここまでCO2の過添加について書いてますが、CO2が無さ過ぎる環境もエビ類には問題だったりします。

 エビの甲羅の主成分は炭酸カルシウムなのですが、これはミネラルのカルシウムと二酸化炭素を使って丈夫な殻を維持しています。
 魚や水草やバクテリアの呼吸で発生するCO2がありますから不足して問題になるという事はほぼありませんが、頭の片隅に覚えておくと良いかもしれません。

エビは発酵式CO2のアルコールにも注意

 発酵式CO2ペットボトルで二酸化炭素を供給する場合は、アルコールの混入度合いにも注意しましょう。

発酵式ペットボトルCO2添加装置

 混入と言っても発酵してる液体が水槽に逆流する事ではありません。
 これは発酵によって発生したアルコールが気化して、CO2と一緒に水槽に気泡として入ります。

 発酵式を一度でも作った事がある人なら分かると思いますが、ペットボトルから発生する気体を私たち人間が嗅いでも酒臭い香りがしますよね。

 気化した程度の成分量なので驚くほど怖がらなくても良いのですが、小エビは過敏に反応することがあります。小さい水槽は特に。

 ただこのアルコール分は水槽のバクテリア環境に良い作用もあり、全く駄目なものではありません。
 エビを飼育してるミニ水槽で発酵式ペットボトルを使う場合はエビの様子を見ながら、調子がおかしい時は出したり止めたりの調整を心掛けましょう。

 大きい水槽になってくると、気を使う事は少なくなります。また、魚と水草のみのエビがいない水槽であれば、発酵式で混入する気化アルコール分程度でそれほど心配する必要はないでしょう。

 参考までに、こぢんまりとした私の20L水槽でも発酵式CO2ペットボトルを使ってますけど、やはり添加量が一定ではないですし、年中常に供給し続けてるわけでもないです。
 それでも、水槽サイズや生体量に対して水草のボリューム(比率)が増えてくれば、光合成によって昼間の水中CO2が枯渇しますから、水草の調子は落ちますし、照明中はできるだけ添加しています。

 基本的にライトONの間はずっと添加、消灯時はキャップを弛めて供給をヤメると言った感じです。

エビ飼育と発酵式CO2ペットボトルの添加調整

 まだ水草量が少なかった以前は、ライト点灯中でもずっと放出するとエビの具合が悪くなる事もあったので、エアストーンを水面に近づけたり気泡が大きいものに変えるなどして、溶け込む量を減らす(調整する)工夫もしていました。

その他ヌマエビが体調を悪くする原因

 ヌマエビが体調を悪くする原因には、上記に挙げた急激な水温差やpHの違い、水質の変化の他に、以下のような要因があります。

 思い当たる節がある場合は、各項目ごと順に解決していくようにしましょう。

水草の残留農薬は猛毒

 大手ホームセンターなどで販売される水草の多くは、海外の原生地から輸送されたものの可能性が高いです。
 その場合、検疫法により海外から病原菌やウィルスを国内に持ち込まないように、水草にしっかりと農薬処理が施されています。

 エビにとって農薬は猛毒です。

 しかも、農薬処理された水草をいくらきれいに洗っても、植物が吸収し取り込んでしまった残留農薬は、たとえわずかでもエビを致死させてしまいます。

 特に、アヌビアスナナ類クリプトコリネなど、茎や葉のしっかりした成長の遅い種類は、国内で増やしにくく、海外から取り寄せた農薬汚染個体が流通している場合がほとんどです。
 完全にエビに無害となるレベルまで水草がクリーンになるには、流水で育てて数ヶ月から半年、水槽で水換えだと半年から1年掛かるとも。

 金魚や熱帯魚は小エビに比べて多少は農薬に耐性があるので、「この水槽の水草は、既に魚が大丈夫だから」という理由で安易にエビを追加するのにも、注意が必要です。
 残留農薬はエビだけでなく、さらに脆弱な濾過バクテリアまで殺してしまいますから、水草を入れたら水が白濁りしたり油膜が増えたりすることもあります。そんな水質でエビの元気がないのは当たり前ですね。

 水草を買う場合は、エビが一緒に泳いでる水槽の水草や、“無農薬”と明示された商品を選ぶようにしましょう。

 また、このところ流通量が増えているカップ入り組織培養水草も、レパートリーはまだ少な目ですが農薬をまったく使わず生産されており、エビ水槽に持って来いの人気商品です。

 私が愛用してる通販ショップチャームさんの水草は、「エビNG」「残留農薬処理済み」「無農薬」といった案内表示が明記されているので、安心しておすすめできます。
通販チャーム水草売り場こちら

 参考までに、私の水槽のアヌビアスナナプチもチャームさんで仕入れましたが、水槽立ち上げから植え込み、ネオンテトラやラスボラ辺りのメジャーな熱帯魚も初めから特に問題ありませんでした。

アヌビアスナナプチが大型に成長

 現在は5年目でサイズも最初の10倍近くまで成長し、株分けしてさらに増えています。

アヌビアスナナプチを株分けして繁殖

 ヌマエビがツマツマとコケを掃除してくれます。葉がミニサイズなので小型水槽にも最適です。

バクテリア環境が完全に整っていない

 新しい水槽の立ち上げが不完全で、水をきれいにするバクテリア環境が整っていない状態も、エビに大きなダメージを与えます。

 有機物 ⇒ アンモニア ⇒ 亜硝酸塩 ⇒ 硝酸塩

 濾過バクテリアの定着によって立ち上がった水槽では、上記のような硝化作用が行われます。
 このどこか途中段階が未熟だと、生体に有毒な“アンモニア”や“亜硝酸塩”の濃度が上がり、敏感なヌマエビはすぐにお陀仏です。

 “硝酸塩”までのバクテリア分解がスムーズに行われ始めると、水は綺麗に透き通ります。

 また、最後に残る硝酸塩であっても、濃度が高まれば有害です。
 硝酸塩を低濃度に保つには、適切な頻度の水換えや、豊富な水草による吸収、底床中の嫌気性細菌(脱窒菌:だっちつきん)による脱窒(窒素に還元する)の環境作りなど、可能な限り整うのが理想です。

 水換え中心じゃなく、水草や脱窒菌による還元が上手く機能してくると、透き通った水がさらにキラキラと輝きの深みを増します。

 ちなみに初心者にありがちな失敗が、“水を綺麗にするバクテリアの元”みたいなバクテリア添加剤の類い。水質が安定しないからと言ってこういった商品に飛びつくのはおすすめできません。

 水槽の水を綺麗にしてくれる濾過バクテリアは空気中どこにでも存在してますから、立ち上げを正しく行えば勝手に着床して増えてくれます。バクテリア添加剤は本当に必要なバクテリアと競合してしまう邪魔なだけの存在。
 「水を綺麗にしたい」という消費者の心理を利用した商売で、かえって立ち上がりが遅くなります。

長生きのミナミヌマエビ

(うちの水槽の一番大きい長生きミナミヌマエビ。甲羅の模様がカッコいい。)

岩石やサンドの影響でアルカリ性

 レイアウトとしての岩石や“水を綺麗にする”と謳われるようなサンド(底床)などの投入物によって水がアルカリ性に傾くと、酸性では危険度の低いアンモニウムイオンが猛毒のアンモニアに変わり、アンモニア中毒の危険が高まります。
 このアルカリに傾く変化は、水温が上昇しても起こり易くなります。

 まあでもこれは、バクテリアによる硝化作用がうまく機能していれば、それほど問題でもないとは思っています。硝化によってアンモニアは硝酸まで分解されていきますから。

 ぶっちゃけ、大自然のヌマエビでもアルカリ性pH8近くの水質にも順応して元気に育ちます。
 ですから、環境バランスを整えるのに弱酸性から中性が理想的でしょうけど、やっぱり立ち上げをどれだけしっかりと行ったかじゃないかと思っています。

 もちろん、いくらアルカリ性に順応しているエビでも、突然のpH変化には弱いですから、別水槽に移す際や足し水などには、同じようにpHの違いに徐々に慣らしながら慎重に行います。
 また、順応するといってもやはり弱酸性が好みですから、中性からアルカリ性に傾いた水槽では若干ヌマエビが抱卵しにくいようです。

水草用トリートメントや液肥のしすぎ

 水草の調子を良くしようと過剰に施肥するのは、コケの増殖や水質の悪化に繋がります。評判の良い肥料商品であっても同じです。
 水草が不足しがちなカリウムイオンや鉄イオンは、上手に使えば効果は抜群ですが、添加し過ぎればpHを変化させたり水を汚してエビにダメージとなります。

 もちろん「使っては駄目」と言ってるのでは決してありません。
 ただ、訳も分からず説明書の規定量そのまま使うのではなく、特に初心者は水草の症状に合わせて極少量ずつ試すくらいが丁度いいです。

 また底床にソイルを充分に使ってる場合は、水槽立ち上げ初期に肥料はほぼ要らないはず。
 肥料の前に光の強さやバクテリア環境に気を配った方がよほど効果的でしょう。

GH(総硬度)KH(炭酸塩硬度)が高い

 GH(総硬度)およびKH(炭酸塩硬度)が高いとヌマエビの不快感は高くなります。これ、pHが高い事と同じように思うかもしれませんが別物です。

 もちろんGHが高くなれば必然的にpHも上昇していきますが、同じpHでもGHは変わります。そしてKHも同様に変わります。

 pH8近くでもヌマエビが順応すると言ったポイントがこの辺。
 経験上、pHが高くてもGHやKHが低めだとそれほど体長不良に陥らなかったりします。

 お住まいの水道水pHが高い場合、どうしてもpHは上がりやすくなります。そこで無理してpHを下げようとすると飼育水がいろんな意味で汚れ、ヌマエビの体調にも影響します。

 また、カリウム系固形肥料などはバクテリアに分解されながら徐々に効果が出てきます。そのため「イマイチ効きが悪いな」などと必要以上に添加してしまう失敗が意外と多いです。
 カリウムイオンが増加すれば炭酸水素イオンも増えてKHがぐんぐん増加してしまいます。

 一番分かり良いのは、ご自分の水槽でGH値やKH値を日々計測してみること。

 漠然とでも水質の状態が分かってくると頻繁に使用することもなくなりますが、それほど高い物でもないので、目に見えない変化を知り、より理解したいという方は一度使ってみると良いでしょう。



 ただそうもいかない方のためにごく簡単に説明すると、やはり不用意な肥料添加に注意。そして、レイアウト石など硬度を上げる要因を排除して水換えのみに徹してみる。

水槽に洗剤の混入

 綺麗好きな方の中には、水槽の備品を洗剤で洗うという人もいます。
 また、エアーストーンや拡散器のフィルターを漂白剤で掃除しメンテナンスする場合もあります。

エアストーンを漂白剤で掃除

 洗剤や漂白剤で洗ったとしても、成分が残らないように綺麗に洗い流してあれば別に問題はないですが、残っていれば大問題です。

 私は、水槽に入れる装備品について基本的に洗剤は不要だと思っていますが、化学成分等のすすぎ残しには充分に注意しましょう。

殺虫剤や虫除けスプレーが水槽に掛からないように

 水槽の近くで殺虫剤虫除けスプレーを使うと、水槽に溶け込んでしまう事があります。エアレーションのためエアーポンプを使ってる場合は特に注意です。
 これが意外と気付かずにやってしまいがちな失敗。

 また、最近の人気商品である消臭スプレーや、ゴキブリ・ダニを退治する燻煙剤(バルサンやアースレッドなど)も、水槽に最悪のダメージを与えます。

「家族が勝手に」なんて事の無いよう、伝えておくと良いです。

ヌマエビ飼育まとめ

ミナミヌマエビの正しい飼育方法

 ヌマエビが落ちる原因となるものを、私の実際の経験で得た知る限りの知識から挙げてみました。

 別に、このページに挙げた内容すべてを行わなくても、エビが元気に泳いでいてくれれば良いですし、もし体調が落ちる事があっても対策できる内容を網羅できてるのではと思います。

 種類にもよりますが、エビは熱帯魚よりもちょっとした変化に反応して弱ってしまいます。だから魚が大丈夫だったからと安易に投入しても、上手く飼育できない事は多いです。

 特に、黒髭ゴケや茶ゴケがすぐ発生するような環境には注意が必要だと思います。
 生体数が過密気味で水換えも少ないから硝酸塩濃度が高かったり、肥料や無駄な添加剤で水が富栄養化して汚れを助長してるかもしれません。

 エビがどのタイミングで体調を崩したか、その原因を探る事がエビに居心地のいい水槽を作る近道だと思います。

 なんにせよ、ツマツマする可愛いエビの姿を安心してみれる水槽環境を作りたいものです。

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