気泡が細かいエアストーンの使い方とコツ
CO2添加は、アクアリウムで上手に水草を育てるなら必須アイテムでしょう。
CO2添加は専用ディフューザー(拡散器)を使うところですが、自作の発酵式CO2ペットボトルの場合、二酸化炭素の放出圧力が弱過ぎて、市販のCO2拡散器(CO2ストーン)では上手く泡が出ません。
そのためエアストーンを使う方は多いと思いますが、出てくる気泡が大きくなってしまい、イマイチ溶解具合が悪いということもあるかと思います。
そこでおすすめなのが、気泡の細かいエアストーン。
といっても、どこのホームセンターでも普通に売ってるもの。
実はストーンの使い方で、気泡の出方がけっこう変わる事に気付きました。
ここではエアストーンの気泡を細かくするコツを書いてみます。
簡単!エアストーンを逆さまに設置するだけ
初めに答えを言ってしまうと、エアストーンを逆さまに設置するだけ。難しい事は全然ありません。
写真はエアストーンが水面から10センチ無いほど浅い水深ですが、それでも微細な気泡になったお陰で水面まで浮き上がらずに、水流に乗って水中を漂ってくれてます。
(分かり易いように背景に黒紙を置いてます。ストーンは高級品ではなくSUDO製の数百円の一般的なもの。)
これはCO2拡散器の形状をヒントに力学的な理屈を考えたのですが、エアストーンが下に向いてる(垂れ下がってる)状態だと、管から気泡が出るとき、管口よりも下方に気泡が出るのでさらに大きい浮力(水圧)が掛かるため、若干ですが余分に高いCO2圧が放出に必要ですし、表面張力の影響で、ある程度大きい気泡サイズにならないと管下から逸れてストーンから吹き出せないため、発酵圧が一定値まで高まる度に大きめの気泡(浮力が大きい)になって飛び出すのが、大まかな原因かなと思います。
(スケッチなので汚いですが。。矢印は水圧。水深に比例して水圧は高くなります。)
それを解消する(抵抗を弱める)には、管口を上に向ける事。
管口より上に気泡が出る場合、今度は管から出てきた気泡の上に邪魔するものが無いので、表面張力に浮力が勝るタイミング(リリースタイミング)が下向きの時より早くなり、小さい気泡で放出できます。
小さい気泡は浮力も小さいので、ストーンの空隙(隙間)をゆっくり枝分かれしながら通ります。
(実際はストーン内を通過する抵抗もありますが、問題と思われるのはCO2放出時の水圧抵抗と管口方向の差だと思うので、ストーンの存在は割愛しました。)
と、屁理屈を述べてみましたが、とりあえずバブルが安定すると水流に舞う細かい気泡が水槽内を流れてくれます。
バブルカウンターはありませんが、発酵式ですから添加量が分かったところで調節は出来ませんし、必要ないでしょうということで。
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設置のポイントは出来るだけ垂直に上向き
設置するポイントは出来るだけ垂直に上向きにすることです。
チューブに繋げたエアストーンを上向きにして、ストーン根元を吸盤でガラス面にしっかり固定すればすぐに出来ます。
ただ、あまりエアチューブがだらんと水槽中にあると見た目がカッコ良くないかなと、せっかくなのでホームセンターで売ってるエアー配線用の塩化ビニール硬質パイプを加工して、配管を作ってみました。
エアー用硬質パイプの加工方法
作り方はとても簡単で、ドライヤーの温風でパイプの曲げる部分を高温に温めて、ハンマーの柄やドライバーの取っ手の丸いところに当てながら曲げるだけです。
熱し続けると徐々にパイプが柔らかくなってくるので、温まるまで焦らず待ち、少しずつ曲げていきます。
かなり熱くなるまで熱するので、軍手等があると良いです。火傷に注意。
管が潰れて折れてしまっても、該当箇所に再度熱を当てると広がってくるので修正できます。
コツは、曲げる箇所を全体的に満遍なく温めて加工することです。
まあ・・、ほんのちょっとの事なので、自己満足の世界ですね。。・・でも、楽しい。
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水作 パイプピタッと 関東当日便
使用した硬質パイプは、水作の「パイプピタッと」です。
CO2添加具合に注意しながら管理のすすめ
最後に大事な事として、CO2添加量に注意しながら管理しましょう。
今回のエアストーン対策で細かい気泡になってから、水草の生長速度など目に見えてCO2溶解度が上がりました。
(以前までは泡が大き過ぎて、ただ水面で弾けてたってのも溶解度が低かった要因かと。。ちなみに、昔から同じエアストーンを使ってます。)
また発酵式ペットボトルでCO2を添加する場合、流量調節は出来ませんし、マニュアルに沿って照明消灯中は添加を停止しましょう。
夜間消灯中にCO2濃度が上がり過ぎて、朝起きたら熱帯魚が皆死んでたなんて惨事は避けたいものです。特に小型水槽やボトルアクアリウム、過密水槽ですね。
水草が少なかったり、生体(魚やエビ)の量によっても許容CO2量は変わります。
念のため初めて設置する際は気にして見た方が良いでしょう。特に真夏の暑い時期は発酵が速く、CO2放出量も多いですから。
もちろんCO2の過添加は熱帯魚にダメージを与えますし、ヌマエビがいる水槽では、CO2添加量によるpH変化やCO2濃度の上昇が顕著に影響するので、注意が必要です。
出水口の下に設置すると効率が良い
濾過装置の出水口の下に設置すると、効率よく水槽全体に気泡が散ってくれます。
舞っている超細かい泡が見えるでしょうか。ネオンテトラが泡の中を泳いでる感じ。
あまり効率良くし過ぎて、魚が酸欠(二酸化炭素中毒)にならないでねと、心で思ったり。
こういう時、容量の少ないミニ水槽は心配が多いです。
その後の追記
ある程度続けてみて分かったのが、水量20Lクラスで水草が少なめな私の水槽では、やはり効率が良くなり過ぎました。
昼間の照明点灯中でも、ヌマエビの挙動が激しく泳ぎ回るようになってしまいました。
同じ体積の気体が「1つ」と「細かい複数」とでは、圧倒的に後者(複数)の方が水と接する面積が増えますし、小さいほど水面への上昇速度も遅くなって水中滞在時間が長くなりますから、二酸化炭素の溶解量が上がるのも当然ですね。
さらに調べて分かったのが、マイクロバブルの分野によると、水と気体の接する界面張力(表面張力)の影響で、気泡が小さくなればなるほど自己加圧効果が高まり、気泡内の圧力が上昇して水に溶けこもうとするのだそうです。
水槽のCO2気泡は多くがミリバブルなので、マイクロバブルほど加圧効果は顕著ではないですが、違いは現れるとのこと。
弱い水流でも舞うような泡でここまで溶存CO2濃度が格段に上がるとなると、よくある「60センチ水槽で1秒1滴」などの指標も、拡散器の性能によって適切な調整量も違ってきますね。
うちの水槽では、小型水槽ほどストーン位置を水面近くに引き上げる等、状況に合わせて水槽へのCO2放出を調整しています。
ただ今回の場合、エビが敏感に反応しただけで、熱帯魚は全然あっけらかんとしていましたし、大きい水槽や水草量が多い水槽では特別問題は起きないかもしれません。
ご自分の環境に合わせてご対応ください。
さらに追記2
昨今のアクア用品は、本当に何でもあるもので。。
発酵式CO2ペットボトル用のバブルカウンター付き拡散器が売られておりました。(汗)
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アンビリーバブルAIR BigU−type エアレーション&発酵式二酸化炭素用 エアーストーン エアストーン 関東当日便
これなら発酵式特有のか細い終わり具合もバブルカウンターでよく分かるので、交換時期が決めやすそうですね。。
素晴らしい!!・・私も頑張りましたけど。。
気泡の細かいエアストーンを改良:追記3
その後、気泡の細かいエアストーンをさらに改良しました。改良と言っても、一回り小さいエアストーンに変えただけですが。。
ちなみに私の水槽でも、CO2添加能力の向上に合わせて水草を増やし、昼間は常に全開で放出してもヌマエビに影響の出ない環境まで改善しました。
CO2をどんどん消費してくれるヘアーグラスショートを増やし、エアストーンも同じSUDO製の一回り小さいものに変更。
これが以前の一般的なサイズ(15×L30mm)のスドーバブルメイト。
周りのヘアーグラスはトリミングしたばかりで乱雑ですがご勘弁を。
新しいミニサイズ(10×L20mm)エアストーン。
外したついでにガラスのコケも掃除。
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スドー バブルメイト S103−I(10×L20mm) エアーストーン エアストーン小 関東当日便
並べてみるとかなり小さくスリムになってます。
他社ストーンもあったのですが、発酵式CO2は放出力がそれほど強くないため、ストーンの空隙(穴の大きさ)があまり小さいと今度は負荷が掛かり過ぎて、気泡が出にくくなってしまいます。
他社の製品だと予測がつかなかったので、同じスドー製で空隙規格も同じものを選びました。
見た目もすっきりして気泡も従来通りばっちり。大満足です。
せっかくなので、一度も洗浄した事の無かった古いストーンを漂白剤に浸けて綺麗に。既に4年ほど使ってますがバブルメイトは丈夫でまだまだ使えそうですし、緊急用に仕舞っておきます。(貧乏性です、はい・・)
この漂白剤成分は水槽生体に猛毒なので、水で洗い流す際、エアーポンプでバケツの中に一度吹いて掃除しておくと安心ですね。
ちなみにこのページではエアストーン設置の仕方で気泡の出方が変わることについて書いてきましたが、発酵式CO2ペットボトルに最適な市販エアストーンを比較し探してみた記事も書いてますので、ぜひご覧ください。
(市販のアンビリーバブルAIRビッグUタイプも試してます)
また発酵式に関連して、発酵式ペットボトルに電磁弁とタイマーを使って、夜間だけ自動で止まるCO2配管も自作(?)しました。よろしければそのページもご覧ください。
自動化したお蔭で格段に手間が少なくなります。
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⇒「自作発酵式CO2が上手くいかない原因と対策」こちら
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