外部フィルターにソイルを入れてpHダウン手順。

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濾過フィルターにソイルを入れてpH調整する方法

 大磯砂利や田砂などソイル以外の底砂を使った水槽は、どうしてもpHがアルカリ性に傾いてしまいがちです。
 熱帯魚や水草の多くは中性から弱酸性の環境を好みますから、「生体が病気になりやすい」「水草が上手く育たない」なんて悩みも、pHが高過ぎるストレスが原因になっている場合もあるでしょう。

 日本では、大抵の地域で水道水自体が弱アルカリ性に調整されているので、pHに影響しない底床素材を使っていたとしても水質がアルカリ性に傾くのは当たり前なのですが、とはいえ毎回水換えのたびにpH調整剤など使うのは費用も手間も掛かりますし、出来ればpHを下げる強い成分は水槽に使いたくないところ。

 そこでここでは、濾過フィルターにソイルを入れて安全かつ簡単にpHを下げる方法とコツをご紹介します。

濾過フィルターにソイルの注意点

 濾過フィルターにソイルをセットして循環させるだけで簡単にpHは下がるのですが、もともとソイルはフィルターろ材として作られてませんから、失敗しないためにいくつかの注意点があります。

フィルターの種類に注意

 まず、フィルターは外部フィルター上部フィルターが最適です。
(オーバーフローも可能、というか一番簡単ですが、大掛かりな装置のためユーザーが少ないので割愛)

 投げ込み式フィルターや水中フィルター、外掛けフィルター等はコンパクトながら濾過能力を上げるためフィルター内の水流が強めなので、ソイルが崩れて水槽内に吹き出す恐れがあります。

 ちなみに以前、外掛けフィルターで試した時の写真がこれ。。

フィルターのソイルが崩れて水が濁った状況

 崩れたソイルの濁りで水槽が見えなくなりました。。

 ソイルの塵が全面に降り注ぎ、最悪の状況に。pHは下がったんですけどね。。

外掛けフィルターにソイルを入れて失敗

(その時のフィルター内ソイル設置状況)

 まあ、工夫すれば使えないことも無いのでしょうけど、もともと濾過槽も狭いですし、ソイルの効果をしっかり効かせるにはソイル量が充分入らない事からして、難しいです。

 上部フィルターや外部フィルターは基本、濾過槽が広くフィルター内の流れも緩やかなので、ソイルも崩れず使えます。

 ただ外部フィルターも商品によって、流れが一方向じゃない2槽式(2部屋に仕切られたタイプ)のものは、濾過槽が少し狭く流れが早いので、この方法にはちょっと使いづらいかも。

SUDOエデニックシェルトV3の構造と水流の流れ

 これはスドー「エデニックシェルトV3」。2槽式なので安全にソイルを入れられるスペースは限られます。

 もちろんエデニックシェルトの性能が低いわけではありませんよ!

 私も愛用してますけど、コンパクトでミニ水槽に最適の水流を作ってくれる良い外部フィルターです。
 pHダウンにも使えなくはないですが、濾過性能を維持しつつpHを下げる充分なソイル量をセットするには、難しいサイズかなという感じ。

ソイルは硬めの吸着系がおすすめ

 使うソイルは硬めの吸着系がおすすめです。

 フィルター内に入れるだけなので含有栄養などは不要ですし、いくら流れが緩いといっても常に水流がある場所に使うので、簡単に崩れないソイルが最適です。

 また、底床全面に敷くのではなくフィルターに入れる少量だけでpHを弱酸性に安定させたいので、吸着系ソイルが良いです。

 おすすめはGEX「ピュアソイル」

 GEXのソイルはどの商品も全体的に硬く、さらにピュアソイルはほとんど栄養素が含まれない吸着系です。
 アンモニアの溶出も少ないので、コケにも安心。

 大きいパッケージを選ぶほど、グラム単位の費用は安くなりますね。

フィルター内の中間部に入れると安心

 常時ソイルに強い水流が当たると、どんなソイルでも崩れて舞ってしまいます。

 フィルター内のイン側(流入口)やアウト側(放出口)の付近は流れが早くなるので、コツとして出来るだけソイルを濾過槽の中間部(ろ材とろ材の間)に入れると安心です。

フィルタースポンジはぜひ使う

 外部フィルターは、イン側の最初とアウト側の最後にフィルタースポンジ(フィルターパッド)を入れるのが、基本的な設置方法です。スポンジはろ材の目詰まりを防ぐ物理濾過だけでなく、フィルター内の流量が均一になり濾過能力を安定させます。
 メーカーによって粗目フィルターと細目フィルターの前後設置場所に違いはありますが、前後フィルターは是非入れるようにしましょう。

 フィルタースポンジがあるとソイルが崩れにくくなりますし、モーター一体型フィルターヘッドの場合は特に、万が一ソイルが崩れて舞ってもソイルの泥でインペラー(モータープロペラ)を傷めにくくなります。

外部フィルターEHEIM500にピュアソイルの設置

 最後に私のいつものやり方手順もご紹介します。
 外部フィルターはエーハイム500、ソイルはGEXピュアソイルを使用。

ソイルをネットに入れる

ソイルを目の細かいネットに入れる

 ソイルを目の細かいネットに入れます。

 ネットは目が細かければ何でも良いのですが、ソイルが網目から溢れないようにします。
 うちでは、台所用の排水溝ネット(伸びるストッキングタイプ)を使っています。細目の洗濯ネット等でも大丈夫です。

 入れる量はフィルターサイズでも制限されますが、目安として水量10リットルに対して100g程度入れると確実にpHが下がる印象です。

 大磯の貝殻片や岩石などのカルシウム分溶出がアルカリに強く影響してる場合は、やはりpHの下がり具合も悪くなるので、ソイル量を増やすなど調整します。

濾過槽に投入して通水

 あとはソイルを濾過槽に入れて通水するだけ。

エーハイム500に吸着系ピュアソイルを設置

 今回はたまたま上部付近に入れたので、最後の細目フィルターパッドを厚めに2枚入れてます。

 画像ではソイル周りに空間が空いてますけど、特に問題ありません。空間があっても無くてもちゃんとpHは下がります。

 ちなみに上部フィルターの場合は、ソイルの軟水効果をしっかり効かせるためにソイルをすべて水没させるように広げて設置しましょう。

ソイル設置のpH変化具合

 今回は総水量20リットル弱の水槽に200〜300g程度のソイルを使いましたが、設置前のpHは約7.5

外部フィルターにソイル設置前はpH7.5のアルカリ性

 設置後、半日も経てば、pHは6.5程度まで下がっています。

外部フィルターにソイル設置後はpH6.5で安定

 けっこう急激に水質が変わっていますけど、今回もヤマトヌマエビや熱帯魚に不調のサインは現れてません。pHを下げるのは何度か経験してますが、アルカリ性から弱酸性に下げる場合は案外生体が体調を崩すこと無いんですよね。
 本来なら弱酸性が適してるという事もあるのかもしれません。
(pH6を切るレベルだとちょっと問題も出てきますが)

 今後の対応として、数ヶ月から半年と経過すると徐々にソイルの効果が無くなってきますから、pH値が上がってきたらソイルを交換するだけ。フィルター掃除と合わせて行うと良いでしょう。

 私はこの水槽でも約3〜4ヶ月くらいの間隔でソイル交換していますが、費用はソイル200〜300g(1回)で約60〜70円といったところ。これで7以下の安定したpHをお手軽に維持できます。
 水換えのたびにpH降下剤やクエン酸を使ってる方などは、感動するくらいの費用対効果を実感できるでしょう。

 一応断っておきますが、pH7.5前後くらいで維持する水槽環境が全然ダメというわけではありません。
 弱酸性に比べて育てられる水草種は減りますが十分綺麗に育成できますし、コツが分かれば水質に敏感なヌマエビだって元気に管理できます。流石にpH8近くから上ともなると、何かと厳しいですけども。

コトブキ工芸ろかジャリ水槽のpHと水草

(この画像はpH7.5、GH3くらいで維持していた時のもの)

 ちなみに今回のアルカリだった水槽は、底床にコトブキ工芸「ろかジャリ」を使用しています。

 うちのはノーマルサイズですが新しく細目タイプも出てるので、水草にはそちらの方が使いやすいでしょう。

 勘違いしてる方も多いですが、ろかジャリはpHを下げてはくれません。
 ゼオライト主体なのでイオン交換能でミネラル分を吸着してpHを抑えてくれると思われがちですけど、実際は全然下がらない

 底床に入れてるだけなので、底面フィルターを使えばもしかしたらもっと硬度を下げてくれるかもしれませんが、イオン交換能は永久的に吸収し続ける能力でもないですし、言うほどの効果は期待できない気がします。

 ただ、ろかジャリを私が選んだのは、水槽内が明るくなる見た目と、底床の掃除がザクザク気兼ねなく出来る、アルカリ水質での生体や水草の具合をいろいろ知りたかった、こんな点でしょうか。
 ろかジャリは多孔質ですから、バクテリアが繁殖しやすく通水性も高いので底床環境が優れてる点も評価できます。

 まあでも使用感は、大磯砂とあまり変わらないかな。。
 ・・・ろかジャリの方が軽いってくらいかも。(爆)

pH管理器具の参考

テトラテストpHトロピカル試薬とSUDOスポイトの使い勝手

 今回使ったpH測定試薬は、定番テトラテスト「pHトロピカル試薬」。

 試験管に水槽水を測り入れるのに、スポイトがあると格段に正確です。

フィルターにソイルを入れた水槽管理のコツ

 最後に、このフィルターにソイルを入れた水槽管理のコツというかを。

 頭の回転が速い方ならお気付きかと思いますが、この方法はソイルにアルカリ分を吸着させて軟水化しますから、水草への施肥で一捻りした方が上手くいきます。

 まず、液肥は極力使わない

 液肥のミネラル分はフィルター内のソイルに吸われてしまうので、水草に栄養が回りづらくなります。
 さらに液肥だとソイル吸着能力がすぐに終わってしまうので、交換時期が早まるデメリットも。

 ソイル底床なら吸着したミネラルも根から再度利用できますけど、フィルターソイルは交換するだけですから、液肥がもったいないですね。

 そこで固形肥料メインで調整しましょう。

 固形肥は底床のバクテリアが分解してジワジワと効きますし、水草の根からしっかり吸収できます。
 pHを下げたいなんて水槽は基本的に底床にソイルを使ってないでしょうから、何回ザクザク固形肥を挿しても大丈夫ですし、掃除もし放題。

 リセットせずに水槽を長期維持するには最適な方法なんじゃないかと思う、今日この頃です。

 

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⇒「pHを下げる濾過材パワーハウスソフトタイプの効果具合」こちら

クエン酸を使う注意点
⇒「水槽pHを弱酸性に下げる調整をクエン酸で」こちら

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