水槽CO2が限りなくゼロ!CO2濃度測定で分かったこと
このミニ水槽も以前より水草量が増えたことで、光合成によるCO2消費や夜間消灯中のCO2蓄積がどのくらい変化するのか気になり、CO2濃度測定試薬で濃度を測ってみました。
すると、照明点灯中のCO2濃度が限りなくゼロを示す結果に。
今回、飼育水に溶け込むCO2量の変化推移がある程度分かったことで、水草水槽にとっていかにCO2添加が大切かを認識する事ができました。
このページは、植物と生体の比率や水槽サイズに対する熱帯魚の増減で、水槽環境がどのように変化するかについての、私のアーカイブ的な記録です。
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CO2濃度測定に至るまでの経緯
3ヶ月ほど前に追加投入したヘアーグラスも定着して、まばらながらランナー(地下茎)は全体的に広がり繁殖が少し落ち着いてきたので、CO2(二酸化炭素)の供給を一時ストップして水換えのみで様子を伺っていました。
というのも、生体数はほどほどながら水槽サイズに対する水草量はそれなりに増えたので、魚やエビの呼吸による二酸化炭素も加味すると、夜間のCO2放出量はかなり増加してると予測していたからです。
夜に蓄積したCO2量で、昼間それなりに光合成が出来るのではと考えました。
チャポチャポと水面を撹拌するような流水はありませんしエアレーションもしていないので、溶け込んだCO2の曝気(大気放出)は少ないだろうと。
目で観察する限りでは、2週間ほどは全体的に安定していました。
ですが、その後朝方のエビの体調が悪くなり始めます。
そこで、消灯中に全生体が行う呼吸によって溶存酸素が消費され酸欠症状かもしれないと予測。
CO2添加用の拡散筒で酸素気体を添加したところ、功を奏してエビの調子は改善されます。
(酸素添加してる拡散筒。ミナミヌマエビが隠れてる。)
拡散筒で酸素添加については、以下のページで書いています。
ですが、上手く対策できたと思った矢先・・、今度はどうも水草の色艶が悪い。
水草が調子良い時は、鮮やかな新緑色がはっきりと分かります。新しい葉や白い根が見える。
ですがそうではなく、葉色のクスんだ、まるで枯れる前兆のような生気のない雰囲気に。
予想に反して水草の調子が落ちていきます。
肥料に関しては、黒髭ゴケがわずかに現れ緑藻の発生する予兆も見られる。経験上、ここからさらに追肥するとコケやアオミドロの発生が加速しまそう。
リン酸や硝酸塩濃度が若干高めと予測できますが、適度に抑えられてるレベル。
光量も今まで申し分なかったですし、酸素も供給して繊細なエビが大丈夫なのだから、植物が呼吸できないということもないでしょう。
疑わしい原因はやはり、CO2不足が思い当たります。
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CO2計測で今後の対策が明確に
推測からCO2をすぐ添加しても良かったのですが、今後の対策のためにも具体的なCO2濃度を知りたくなり、市販のTetra(テトラ)「テトラテスト溶存二酸化炭素試薬」を用意しました。
ちなみにこのCO2テトラテストは現在、テトラ公式サイトにも掲載されておらず、生産終了商品。
測定試薬など持ってませんでしたが、たまたま近所の熱帯魚ショップでずっと売れ残っていた事を思い出し、手に入れた代物です。ラッキー。
買ってきてすぐ調べたところ、水槽内のCO2濃度が限りなくゼロという状態が判明。
測定時間は、昼間の午後3時頃。
この水槽は朝7時点灯の夜19時消灯ですが、夜間の生体呼吸で放出・蓄積されたCO2は、昼を回った時点で既にほぼ消費され尽くされたという事です。
焦りましたが、それと同時に「やっぱり。」と納得。
とすれば、夜間どのくらいCO2が溶け込んでるのかが気になります。
そこでそのままの状態を維持して、最もCO2濃度が高まるはずの翌朝点灯と同時に計測してみると試薬の色からして約5〜6mg/l。
この程度しか溜まっていないのですね。。
確かに1気圧の大気と接する水温25度の水では、自然に放置した平衡状態でのCO2濃度は約0.5mg/lと極小です。
昼間の測定値がほぼゼロというのも、既にこの平衡状態なのでしょう。
生体数と水草量のバランスでCO2濃度が変化
以前はCO2供給しなくても水草の調子が落ちませんでしたが、それは水草が少なく光合成によるCO2消費が少なかったということですね。
主に魚やエビの呼気CO2で、それなりに賄えたようです。
ですが、生体数はほぼ変わらず陽性水草を増やしたためCO2が不足、光合成が上手く行えなくなった。
今まで水草の豊富な水槽ほど、生体にとって居心地の良い環境を作りやすくなると勝手に思い込んでいましたが、これほど酸素と二酸化炭素のバランスを崩す要因になるとは思いもしませんでした。的外れな思い込みです。。
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ますます夜間エアレーションなんて要らねー結論に歓喜
(発酵式CO2ペットボトルで添加再開)
ただ、今回の計測結果が悪い事ばかりではありませんでした。
それは、水槽の現状では、消灯中のCO2濃度が大して上がらないということ。
つまり昼間のCO2添加と夜間の酸素供給が適切に行えれば、夜間エアレーションは不要になりそうです。
CO2を曝気させてpHを乱高下させてしまうのはどうかと常々思っていました。
今後さらに生体や植物が増えれば話は変わりますが、ブクブクが嫌いな私には嬉しい限りの結果です。
それにしても、光合成も呼吸も水草(植物)の成長にとって必要不可欠な活動だと、改めて実感。
今回初めてCO2計測しましたが、大きな収穫でした。
それほど利用頻度はありませんが、ときにこういった現実を知ることも、闇雲な経験だけじゃ得られないアクアリウムの知識になるものです。
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⇒「水草にCO2添加の考え方と本質まとめ」こちら
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