ルドウィジアsp.スーパーレッドを育てるコツ
水草水槽レイアウトのアクセントに赤い葉の水草は人気ですが、やはり赤系水草の育成は少し難易度が上がる傾向にあります。照明が弱いと赤の発色が出なかったり、うまく育たなかったり、かと言って栄養が十分過ぎても逆に葉色が緑に近くなんてこともよくあります。
ですがこのルドウィジアsp.スーパーレッドは、赤系水草の中でも赤色を維持しやすく、大概の状況でも常に赤。
中景から後景の水草水槽のワンポイントとして、レイアウトを引き締めてくれること間違いなしでしょう。
このページではそんなルドウィジアsp.スーパーレッドの育て方のコツをご紹介します。
ルドウィジアsp.スーパーレッドの特徴
ルドウィジアsp.スーパーレッドの特徴は、とにかく簡単に赤色の葉を広げてくれるところ。
赤というよりもう真紅に近い色味で、他の水草の中で存在感は抜群です。
他の水草の影に隠れて本当に光が届かない場所では、必死に光合成しようと稀に白っぽい緑色の葉になることもありますが、どんな状況でもほぼ赤く色付いています。
成長は遅め。
有茎草ですから背丈も大きく育てられるので、後景草としてレイアウトされることも多いですが、成長がゆっくりめな種ですから、中景のアクセント的な使い方もおすすめです。
本当に真っ赤なので目を引くんですね、これが。
ただルドウィジア全般にそうですが、下葉が落ちやすい傾向があります。カリウムやリン酸が寂しい状況だと、下葉が枯れたり苔がつきやすくなります。
だからこのスーパーレッドで密な茂みのレイアウトなんかは、水槽全体が鮮やかな赤に染まって本当に圧巻。
成長遅めのスーパーレッドが下葉も綺麗に維持した密な状態は、育成経験のある人間にとってかなり感動です。
ルドウィジアsp.スーパーレッドが育つ環境
ルドウィジアsp.スーパーレッドが育つ環境はけっこう幅広いです。
水質
水質はpH5近くとかなり低くからpH7.5くらいまで、普通に育っちゃいます。もちろん赤色を維持しながら。
ただしpHが低い場合は、GH硬度が下がり過ぎないように水換えや総合肥料(微量元素含む)でミネラル栄養を意識的に増やしてあげると良いです。
またpHが高い場合は、CO2添加すると調子が落ちにくいです。
・CO2添加
CO2は必ず必要というわけではなく、pHが弱酸性以下で安定していれば特になくても問題ありません。もちろんあれば育てやすいですね。
・照明
赤系水草は基本的に、照明がある程度強くないと赤く発色しなかったり、最悪育たないことがあります。
ですがルドウィジアsp.スーパーレッドはそういった心配も少なく、適度な照明でもちゃんと赤く色付いて十分育ってくれます。
メタハラや蛍光灯はもちろん、LED照明でも大丈夫。
ただしLED照明の場合、やはり赤い葉色だけあって、赤波長をそれなりに含む照明を揃えたいところです。
例えば赤LEDチップの入った照明か、もしくは赤LEDチップが無くても高光量な商品など。
そうすることで成長スピードは断然早くなります。
赤い色素は赤波長を遮る
赤い葉が私たちの目に赤く見えるのは、光の中の赤い波長(光)だけ吸収せず反射してるからです。つまり光合成のために必要な光を自ら弱めてるわけ。
この赤色色素、多くの植物ではアントシアニンですが、他にベタシアニンという色素の場合もあります。
このスーパーレッドがどちらの色素かは分かりませんが、とにかく赤波長を弱めてしまうことは確かですから、植物をよく育てる赤い光の吸収を弱めてる事に。だから照明を強めの光でカバーしてあげると、成長しやすいんですね。
ちなみにルドウィジアの仲間は赤い水草が多いのですが、これも原産地が日差しの強い自然環境だから、赤色色素で光を弱めるような進化を辿ったのかもしれません。
ルドウィジアsp.スーパーレッド育成のコツ
ルドウィジアsp.スーパーレッド育成のコツとして、ソイルを使った底床環境がおすすめです。
もちろん大磯砂やゼオライト系サンドなどソイルで無くても、pHが高すぎなければ育成は可能ですが、下葉まで綺麗な草姿が維持できるのは、リン酸を吸着して根元に集め保肥してくれるソイルが格段に容易です。
ただしスーパーレッドは、他の陽性水草に比べて成長は遅く栄養消費もそれなりですから、高栄養ソイルである必要はありません。逆に栄養が過剰過ぎれば、下葉から苔が付きやすくなります。
頂芽の調子や下葉のコケ具合を見ながら、固形肥料で栄養調整するくらいが管理しやすいですね。
例えば、以下の写真。
底床がソイルじゃなくコトブキ工芸「ろかジャリ」を使っている水槽ですが、スーパーレッドの下葉にコケが付いています。
これ、ろかジャリはソイルのようにリン酸を吸着・保肥する能力がありませんから、熱帯魚の泳ぐ環境では排泄物からの栄養が水中に浮遊しやすく、コケが出る環境になりやすいです。
なので、魚の飼育数や餌の量を調整してコケが出にくい環境にしてくと、今度はスーパーレッドにとってリン酸が寂しくなりやすいんですね。
リン酸が少ないと下葉は枯れやすく、結局コケが付きやすくなる。
まあ下葉は傷んでもスーパーレッド自体が枯れてくわけではなく、頂芽は発色よく新芽を出して成長してくれますから、水草レイアウトの赤いアクセントとして使う分には問題ないくらいですけど。
トリミングと差し戻しで増やす
スーパーレッドは、伸びた頂芽をカットしてそのままソイルに差し戻せば、簡単に増やせます。切った元株にも脇芽が出てきます。
下葉が傷みやすいので、ときどき一度抜いて下葉の悪い部分をカットして差し戻すと、良い状態を簡単に維持できます。
水上葉と水中葉
スーパーレッドを購入する際、水上葉の状態が多いかもしれません。
水上葉は茎と葉脈が赤く、葉の表面は緑色で水中葉より丸みのある形状です。
(水上葉を植えた状態)
とはいえ特別、水上葉と水中葉で育て方が変わるわけではなく、水槽に沈めておけば自然に新芽が水中葉になって出てきます。
無理に鉄液は不要
“赤い葉の水草には鉄液肥”なんてよく聞くかもしれませんが、このルドウィジアsp.スーパーレッドは大概の環境でも常に赤いですから、鉄液は基本的に不要です。
固形肥料にしろ液肥にしろ、カリウムや微量元素を含む総合肥料を定期的に使っていれば、その中に鉄分も含まれてますし、ソイルなら元から十分に含まれてますから。
ルドウィジアsp.スーパーレッドのまとめ
ということで、ルドウィジアsp.スーパーレッドを育てるコツについて書いてみました。
赤系水草は生育が難しい傾向にありますけど、このスーパーレッドは容易に導入できる赤色水草の入門種という感じ。
レイアウトの雰囲気を変えたいなんて方に、ぜひおすすめです。
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