アクアリウムサプリ〜熱帯魚と水草と水槽の話

水槽の流木に関する情報まとめ。

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どんな流木がおしゃれ?良い効果と悪い影響

どんな流木がおしゃれ?流木の良い効果と悪い影響

 アクアリウム水槽の定番アイテムと言えば“流木”です。
 世界トップレベルのレイアウトコンテストでも、目を釘付けにする壮大なレイアウトに流木の存在感が欠かせません。

 ここでは水槽の印象をガラッと変える流木について、どんな流木でおしゃれにイメージするか、水質の良い効果と悪い影響など、流木に関する情報をまとめています。

流木はレイアウトだけじゃない!メリットデメリット

 流木はただレイアウトに飾るだけでなく、水槽の水質や環境に与える影響も意外と大きかったりします。
 そのメリット(良い効果)とデメリット(悪い影響)を挙げてみます。

流木はpHを酸性にする?

「流木はpHを酸性に傾ける」と聞いた事がある方も多いと思います。
 水質がアルカリ性に傾くとアンモニアの毒性が強くなってあまり良くないという話は、アクアリウム経験が長くなってくると必然的に耳にします。そんなアルカリ性に傾いてしまったpHを下げて、中性や弱酸性に安定させるために流木を使う人もいます。

 その流木が水を酸性に傾ける理由は、流木から染み出す「腐植酸(ふしょくさん)」と言うもの。
 流木の他にpHを下げるアイテムとして「ピートモス」も有名ですが、このピートモスも流木と同じ腐植酸の効果を使っています。

 流木の事を調べると必ずアク抜きの手順が出てきますが、実はこのアクが腐植酸なんです。
 アクは水の色を茶色くしてしまい見た目の悪さが敬遠されますが、実はこれがpHを酸性に傾けてくれるものなので、pHを下げたい時は水が黄ばんでも我慢すると効果は大きくなります。

 即効性のあるピートモスなんて、あっという間に水が色付きブラックウォーター化しますから。

アク抜きは絶対必要?

 では「酸性に傾けたいなら流木はアク抜きしなくても良いの?」と思うかもしれません。

 この辺りは商品によって変わりますが、信頼できるショップで買ったものなら、そのまま使ってもまず問題ありません。また、アク抜き済みなんて商品もあります。
(アク抜き済みの商品でも、水に色が付く事は普通にあります。)

 ただ、心配性の私としては、どうもそのまま投入するのは躊躇してしまいます。不要な成分が付着してたり、カビが気になったりしてしまうんですね。。

 なので最低でも柔らかいブラシで擦り洗いして、数日ほど水の入ったバケツに沈めて様子を見ます。
 煮込んで良い樹種であれば15分ほど沸騰させてから数日放置すると色抜きが早くなります。

 ちなみに、ネイチャーアクアリウムでも人気のオールドブラックウッドは、煮出ししてはいけない流木としても有名です。熱を加えると木の内部に残ってるタール(樹脂)が染み出して、熱帯魚やエビに有害だからです。

 そのためオールドブラックウッドは通常、アク取りせずそのまま沈める流木として売られています。
熱がなければタールは外に染み出て来ないので、水槽に使っても問題ありません。

 ところで、水槽をセットして間もない時期にpHが安定しないからと流木の効果を期待するのは得策ではありません。
 それはまだ立ち上げが完全でなかったり、濾過材や底床のソイルの影響が強かったり、多少の流木程度で解決できる問題ではない場合がほとんどです。

 純粋にレイアウトの材料として選ぶのがおすすめです。

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アク取り方法

 アク取りには、いく通りの方法があります。

煮沸(煮出す)

 流木がすっぽり沈む鍋などでぐつぐつ煮込む方法です。

水槽流木のアク取り煮出し

 もっとも短時間でアクが取れます。

 物によってはオールドブラックウッドじゃなくてもタールやヤニが出てくる木もあるので、煮出した時に表面がベタベタする場合は、それが無くなるまで再度煮沸するのが無難です。

水に長期間浸ける

 定期的に水換えしながら数ヶ月から長くて1年ほど常温で水に浸けます。オールドブラックウッドをどうしてもアク取りしたかったら真水に浸け置きですね。
 日の当たる屋外だとボウフラや藻が湧いたりするので、注意。正直、止め時が難しいです。

アク取り剤(重曹)に浸ける

 市販のアク取り剤や重曹水(炭酸水素ナトリウム)に浸け込む方法。
 数日浸けた後に、今度は真水に1日以上浸けて、最後にしっかり水洗いします。成分が残ってると、水槽内の生体に影響が出る事があります。

 ちなみに重曹で煮出す事も出来ますが、その場合は真水で何度か煮込まないと、内部まで染み込んだ重曹が完全に抜けません。

拾って来た流木って大丈夫?

 拾った流木を使おうと考える人もいると思います。

 大丈夫かどうかで言うと、大丈夫じゃないものも多いですが、使えるものもあります。
 そこで注意すべき点を以下に書きます。

 まず、淡水水槽に塩分は厳禁なので、海で拾った流木は危険ですから止めましょう。いくら煮出しても塩分は完全に取り除けないと言われています。
(この情報を事前に知ったので当然試した事はないわけで、正確には分かりませんけど。)

 次に、川や湖で拾って来た流木にはヒドラやプラナリアといった寄生虫が付いてたり、有害な成分が付着してる可能性があるので、消毒も兼ねて煮沸しましょう。
 タールが染み出て来たらそれが無くなるまで煮込みます。ヤニ(樹液)の多い松などは止めておきましょう。

 密度が低い木は沈みにくいですから、使えない訳ではないですが、重しを付けたりして沈めないといけません。
 もちろん煮沸の際も重しを載せて完全に沈めます。

 カビや木材腐朽菌(キノコ類)によって木が腐っていて柔らかいもの、指で押すとぼろぼろと崩れるものは使えません。

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我がミニ水槽に流木を投入しレイアウト!

 長々と流木について書きましたが、ここからは私のミニ水槽に投入したレイアウト記です。いやレイアウトというのも痴がましいのですけれど。。

ミニ水槽のレイアウトに流木を投入

 先日、伸び放題だったロタラをバッサリ撤去して殺風景だった水槽のアクセントとして、流木を入れてみました。

 太い塊ではなく枝のような形に一目惚れして購入した流木です。魚達が枝の間をくぐって泳ぐ姿が嬉しいですね。
 特に私の水槽は小さいので、細くて動きのある流木が邪魔過ぎずに存在感を出してくれてます。

 上の写真は入れた直後なので、まだ若干浮き気味です。眺めていると木の表面から中にあった空気がぷくぷくと出てくるのが見えます。

 実はこの流木、数年前に買ったものでした。
 当時はまだ水槽環境が完全に安定していなかったので、入れてから熱帯魚の体調が崩れてしまったため、取り出してずっと押し入れに仕舞ってありました。
 結局、生体の調子が悪くなったのも今考えると知識も無く選んだソイルで富栄養化していたのが大きな原因で、流木のせいではなかったんですけど。

 久しぶりに出してみたら若干カビっぽかったので、使い古した歯ブラシで磨いて洗い、1日天日干ししてから入れました。

 ちなみに買った時も2回ほど煮沸してアク出ししましたが、それでも水槽の水は黄ばんだのを覚えています。
 その後、水換えしてくうちに徐々にクリアになっていきました。

空気が抜けて沈む流木

 これが入れてから一週間くらい経った状態。流木内の空気が完全に抜けて沈んでます。

 レイアウトのイメージとして、今度は岩石を流木の下に入れようと思っています。石についてはまた次回ご紹介しますね。

その後、流木の模様替え

 流木を模様替え。
 というのも水換え時に枝が邪魔して、底床のゴミを吸う作業がかなり面倒な感じになってました。。そこで出来るだけ楽なように変更。

流木の配置と水換え

 水草レイアウトもそうですけど、おしゃれにカッコ良く作ろうとする程、日々のメンテの手間が増える気がする。。まあこれもアクアリウムの醍醐味なのですが。

追記:枝状流木から塊流木に変更

 この記事を書いてから1年半ほどが経過しました。

 水草の株分けや新しい水草追加、底床の入れ替えなどを経て、こんな感じに変わっていました。

枝状流木からレイアウト変更

 底床の入れ替えで水草のボリュームがだいぶ減ってしまい、このまま自然に増えるまで育てても良かったのですが、たまたま訪れた熱帯魚ショップで特価セールの流木を見つけたので、この枝状流木からボリュームがある塊流木に変更してみました。

塊流木にレイアウト変更

 流木を換えるだけで、貧弱なレイアウトからちょっとは見れる構成になった感じ。

 大きなアクセントとして加えれば簡単に良い雰囲気が出せるのも、流木の良さじゃないでしょうか。
 さらにソイルを使わない水槽のためpHが7.5と上がり気味だったので、肉厚な流木でpHを抑える効果も得られて一石二鳥です。

 ちなみに左側のアヌビアスナナ・プチと右のロタラは1年半前と同じ水草。
 ロタラの色味がかなり違うのは肥料具合が大きいです。

 ただ、ロタラ・ロトンディフォリアとグリーンロタラだったんですが、もしかしたらグリーンロタラは植え替え選別時に気付かず捨ててしまったかも。。

 

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