エアレーションを使わずに酸素供給する方法。

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水槽に酸素添加で酸欠の回避方法

 水に溶け込む酸素は生体の健康だけでなく、水槽環境の安定化に必要不可欠な要素です。

 熱帯魚やヌマエビ達は呼吸運動を行い酸素を摂取して生きてますし、生体の排泄物を分解してくれる好気性バクテリアだって酸素が必要ですから、水槽飼育を上手に行う上で溶存酸素量(酸素濃度)を意識するのは最重要項目の一つと言えます。

 でも、水草水槽などは肥料やCO2添加(二酸化炭素)ばかり注目されがちですし、「エビの元気が無い原因は水の汚れや水質の変化」と決めつけてしまうことも多々あります。

 エビの調子が悪いその理由は、もしかしたら酸欠かもしれません。

 そこで酸素添加となる訳ですが、水槽に酸素を供給する方法と言えばエアレーションによる水面の循環が一般的、というかそれが正解という風潮があります。
 確かに、誰でも簡単に設置できて効果は絶大。私もエアレーションの有効性を否定する訳ではありません。長年アクアリストの定番手段として支持されてきたのも重々分かっています。

 でも、嫌いなんですよね、ブクブク。

 最近のモデルはかなり改善されてますけど、それでもエアーポンプは音がうるさい(気になる)し、水面に上がった泡が弾けて水が飛び散るし、何より、水槽には大自然の環境をそのまま切り取ったような穏やかな水景を目指したいのに、エアストーンのブクブクは何とも人工的で、すべてを台無しにする要素が多分に感じられるんです、私には。
(ミニ水槽だから余計にそう感じるのかもしれませんけど)

 という事でこのページでは、水槽に酸素を供給できるその他手段を模索して酸欠を回避する方法について、私なりの対策を書いています。

溶存酸素量の低下と酸欠について

 溶存酸素量の低下と酸欠の基本的な事について。(不要な方はこの項目を飛ばしてください。)

 水槽に存在する溶存酸素量は、生体の呼吸活動によって消費されていきます。ただし生体が酸素を使ってしまったからといって、水槽の酸素量は減ったままという訳ではありません。
 大気(空気)と触れている水槽水面では、水の溶存酸素量が常に一定となるように、自然に酸素が水中に溶けたり放出されたりしています。

 だから水槽サイズに対する生体数が少なければ、わざわざ酸素を供給する必要はありません。大気と触れている水面から勝手に酸素が補充されますから。

 でも生体数が多く、溶存酸素量を一定に保とうとする自然現象よりも水槽内の生体が消費する酸素量の方が多いと、酸欠を起こして魚やエビが体調を悪くしたりバクテリアが死んでしまいます。

「水草が入っていれば大丈夫でしょ?」と思うかもしれませんが、水草は多ければ多いほど酸欠の危険も高まります。

 それは、植物も常に呼吸するからです。

水草で溶存酸素量の低下と酸欠の危険

 水草が照明の光を浴びている間は光合成も行うので、呼吸による酸素消費より光合成による酸素生成の方が多くなり水槽の溶存酸素量を増やしてくれますが、夜間に光合成が行われなくなると他の生体と同じように、呼吸して酸素を消費するのみとなります。

 なので水槽一杯に水草を育てている場合、なんの対策も無しにそのまま放置すると、夜間の溶存酸素量が激減します。
 水草水槽では通常、朝方の照明が点く時間帯が最も溶存酸素量が少なくなり、そのタイミングが一番酸欠になりやすいです。

 ですから、水草が入っていない水槽(酸素を消費するのみ)で酸欠の恐れがある場合は常に酸素供給を、それなりに水草がある水槽では消灯時の酸素供給が必要かもしれません。

こんな状況は酸素供給すべきかも

 溶存酸素量が少なく酸欠の可能性がある場合、酸素供給が必要です。酸欠の疑いがある状況を挙げてみます。

・朝エビの体調が悪い

 水草水槽において、照明が点灯してから数時間はエビの体調がすぐれず底に這いつくばるようにじっとしており、昼過ぎ辺りから元気を取り戻すような時は、夜間の酸素濃度がかなり低下してる可能性があります。

・水面にすぐ油膜が出る

 一概には言えませんが、水面の油膜の種類にはバクテリアの死骸が浮いたものがあります。
 魚の体調も悪くないし茶ゴケや黒髭ゴケも大発生してない、水草を大量にトリミングしていない、底床を激しく掃除していないなど、特に大きな手入れも変化もないし水槽の見た目も問題が無いのに、水換えの翌日でもすぐ油膜が張る時は、バクテリアが酸欠でダメージを受けている可能性があります。

・魚が水面近くで口をパクパク

 魚が水面近くに集まり水面で口をパクパクさせているのは典型的な酸欠状況です。この状態までいくと、魚より酸欠に弱いエビ類はもう死んでいるかもしれません。

酸素を添加・供給する方法

 酸素を添加・供給する方法はいくつかあります。
(植物の呼吸は酸欠の原因となりうるので光合成は除外します)

・エアレーション

 エアレーションが酸素供給に使われるのは、水中に放出する気泡内の酸素を溶け込ます効果よりも、水面を撹拌させて自然に溶け込む酸素を増やし、さらに水の対流を作り水面付近の酸素濃度が高い水を水槽内に拡散させるため。

・水面より上から放水

 フィルターの放水を水面より上から行うと、水面が撹拌して酸素溶解スピードが上がります。水面に落とし込む滝流水やシャワーパイプなど。

・酸素を出す石(過酸化カルシウム)

 酸素を放出する商品。入れるだけで酸素が発生しますが、水をアルカリ性に傾けるなど水質を変化させる性質が強く、それでいてそれほど酸素供給してくれないので、おすすめできません。

・水換え

 新しい水には酸素が含まれていますし、水換え時の水面撹乱や対流が溶存酸素量を増やします。急を要する酸素供給に良いです。ただし酸欠で弱っている生体への給水は穏やかに、温度調節は厳密に。

・酸素添加パイプ

 市販されている添加用パイプ(拡散筒)に酸素を充填する方法。酸素が溶け込む速度はそれほど速くないが、水面は穏やかなまま酸素を供給できるので、エアレーションやチャポチャポ放水が嫌な人におすすめ。

拡散筒で酸素添加のやり方と経過

 酸素添加法の中でも、やってみて良かった拡散筒のやり方とその経過について紹介します。
 やり方と言ってもそのままですが、水槽に沈めた拡散筒に酸素を溜めるだけ。

 拡散筒は水作「CO2添加セット」のものを使い、酸素はドラッグストアに売られている人間用の携帯酸素スプレー缶を使っています。


拡散筒で水槽の酸素添加装置 携帯酸素スプレー缶で水槽に酸素添加

 アクアリウム用品にも魚輸送用の酸素スプレーがあるんですが、人間用の方が値段も安いです。

 設置のコツとしては、水流が当たる流れが強い場所に拡散筒を設置。また、酸素と水が接する面積を出来るだけ広くするために、パイプを斜めに設置すると効率が良くなりました。

拡散筒を斜めに設置して水と酸素が触れる面積を広くする

 1気圧時の大気に接する純水の飽和溶存酸素量は水温26度の平衡状態(自然に調和する状態)で約8mg/l程度、飼育水のように有機物等が混ざっていると最大5〜6mg/lくらいですが、酸素は二酸化炭素に比べても水に溶けにくいので、どうやら拡散筒のような静的な添加ではこの飽和量以上に溶けないようです。

 なので、実際に拡散筒に酸素を充填して様子を観察しても、酸素が減るのは夜間の消灯時だけで、照明点灯中は全然溶け込みません。
 総水量20リットルほどの我がミニ水槽では、一度充填したら一週間以上持っています。

 つまり、添加パイプの酸素気体が減るタイミングは水中の溶存酸素量が減った時と考えても良さそうです。

 そのため、思った以上に酸素缶の消費量が少なく、経済的にも悪くありません。

 ちなみに、この酸素充填した拡散筒にCO2を混合添加すれば、同時にCO2供給も可能です。
 二酸化炭素は酸素より水に溶け易いので、酸素気体を残して先に拡散していきます。

拡散筒の良い点メリット

・静か

 エアレーションポンプのモーター音のようにうるさくない。「ピチャピチャ」音もなし。

・phを気にしなくて良い

 エアレーションだとCO2曝気によるpHの変化を考慮しないとですが、拡散筒は関係なし。

・電源や配線がなくスマートでお手軽

 電源も無く配線の煩わしさも無し。充填したら無くなるまで放置。

拡散筒の悪い点デメリット

・大きい水槽には向かない

 酸素の溶け込むスピードは早くないようなので、溶解スピード以上に溶存酸素量の低下(消費)が激しかったり大きい水槽には向かないかもしれません。検証してないから分かりませんけど。

・拡散筒が目に付く

 拡散筒を設置するので目障りに感じるかもしれません。私は嫌いじゃないですけど。

・筒に魚が迷い込む

 小型の熱帯魚だと稀に筒の中に迷い込んで逃げ出せない時があります。。

酸素添加拡散筒では解決できないこと

 この酸素添加拡散筒では解決できない事もあります。

 それはCO2濃度の問題。

 水に溶ける酸素量と二酸化炭素量の増減は、アクアリウムで行う程度の少量値では、基本的に相互に影響することはありません。溶存酸素量が増えたり減ったりしても、CO2濃度は酸素量と関係なく推移します。

 つまり、CO2濃度が高いからと言って酸素を添加してもCO2濃度は変わらず高いまま
(エアレーションであれば、酸素濃度が自然に調和するように促すだけでなく、二酸化炭素量も平衡状態に調整します。)

 だからこそ、CO2濃度の上下によって急激にpHが変化する心配が無く、繊細なエビに安心して酸素供給できる利点もある訳ですが、生体数や水草量が多ければそのぶん消灯時のCO2排出量も増えて蓄積、二酸化炭素中毒の危険も出てきます。

 二酸化炭素中毒とは、生体が呼吸によって体液中のCO2を排出するはずが、外環境の多量の二酸化炭素に邪魔されて体内のCO2濃度が高まり、アシドーシス(体の酸性化)現象を起こして呼吸運動が阻害され低下、酸欠と似た症状に至ります。これは酸素が呼吸に充分なほど存在していても起こります。

 ということは、拡散筒によって溶存酸素量が増えて直接的な酸欠の危険が無くなっても、二酸化炭素濃度が高い状態であれば結局、二酸化炭素中毒による酸欠の危険が残ります。

「じゃあ駄目じゃん」と思うかもしれませんが、ここからが面白い点。

 実際に拡散筒で酸素添加し続けてみた結果、朝方に調子の落ち気味だったヌマエビ達が、以前に比べて断然調子が良い。

拡散筒で酸素添加したらミナミヌマエビの調子が抜群

 この理由を考察すると、ただ本当に溶存酸素量が少なくて調子が落ちていただけか、もしくは充分な酸素供給が成されていれば、エビのCO2濃度上昇に対する耐性が若干高まる可能性もあるのかもしれません。

 以前から感じていたのが、水草量も少ないのに私が限界と思う以上のCO2量を添加する環境で、エビ達がツマツマというよりガツガツというくらい活発にコケを食べている水槽が存在する不思議。

 確かに水草の光合成活動は、光量各種栄養素二酸化炭素が満たされた状況で最大限になります。(もちろん、水温やpH(ペーハー)、硬度等も適した上で)
 だから私の水槽ではそのどれかが足りていない、バランスが悪いのかもしれませんが、それにしても我が水槽の10分の1程度の水草しかないのにCO2添加量は同程度ってどゆことよ!?と。

 まあそんな事を思っても、我が水槽環境もそれなりに安定してるから、あえて酸素濃度や二酸化炭素濃度を測定して追求した事もない訳で。。
 今回、パイプで酸素添加したのが思った以上に好印象だったので、今後本気で調べてみようかなと思ったのでした。

 とにかく、酸欠が疑われる水槽環境だけどエアレーションは嫌という方は、一度実験的に試してみると良い結果が得られるかもしれません。

関連記事
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