ヌマエビ(シュリンプ)の育て方のヒントを初心者でも分かり易く。

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ヌマエビ飼育が上手くいかないのは原因と結果がある

ヌマエビ飼育が上手くいかない原因と結果

 本格的にアクアリウムを始めると誰もが一度は経験するのが、ヌマエビ類(シュリンプ)の飼育です。代表的なヤマトヌマエビやミナミヌマエビから、ビーシュリンプ、ミゾレや手長、ヌカエビなど種類も豊富。

「エビは可愛いし財布に優しい」とか、「コケが増えたから食べてもらおう」なんて理由で始める方は多いと思います。

 ただ、熱帯魚で大丈夫だった水質環境がエビじゃ耐えられないなんて状況は多々ありますし、初心者であるほど、エビ飼育で失敗する事も多いです。
 しかも「なんで死んじゃったんだろう」と原因を考えても、最初のうちは全く分からないもの。やはり私もそうでした。

 健康で元気にコケをついばむヌマエビの環境を作りたい。

ミナミヌマエビの元気な様子

 そこで、エビの調子が落ちる原因について、実際の体験から得た元気に育てるコツや体調を崩す要因と結果を書いてみます。私の経験が少しでも悩みを解決するヒントになれば良いなと思います。

 ちなみに私のエビ飼育経験は、ミナミヌマエビとヤマトヌマエビ、そして背のフォルムが少し角張ったミゾレヌマエビ、レッドビーシュリンプです。

エビは急激な変化に弱い

 エビは水質や温度の影響を受けやすく繊細です。

 なので特に水槽環境が問題なくても、買って来て水合わせをしないだけで、ストレスで死んでしまう場合があります。

最初の水合わせで失敗も多い

 お店の水槽と家の水槽では水質が違って当然ですから、水合わせするのが基本です。

 知ってる方も多いと思いますが念のため、水合わせとはpH(ペーハー)水温など微妙な水質の違いに慣れさせるため徐々に水を混ぜていく方法です。
 熱帯魚を投入する前に、買って来たビニール袋そのまま水面に浮かべて、水温を合わせるのも水合わせですね。

 さらにpHや水硬度の違いにも敏感なエビの場合、水温合わせだけでは上手くいかない事も多いので、さらに点滴法も行うと安心です。

ヌマエビのpHと水温の水合わせ

(点滴法による水合わせの様子)

 ショップから買ってきた袋をエビごとバケツにあけ、そこに水槽の水を徐々に混ぜて慣らしていく方法。これは神経質な魚にも適してます。

 添加する水量調節には、エアチューブとチューブ用コック(弁)が安くて使いやすくお手軽です。私は家にある適当な二股分岐弁を使ったりします。

エアチューブ用二股分岐弁コック

 要は水量を調節できれば良いので、クリップでチューブを挟んで調整する方もいますね。
 私は1秒に3〜4滴くらい入れちゃうのですが、1秒1〜2滴で1〜2時間かけてゆっくり行う方がより生体に優しく安心です。

 点滴法の注意点は、水温が下がる寒い時期は、少し早めに水滴を落としたり、バケツに小型ヒーターを入れて冷えないように気を付けます。

(こういった4Lまで対応の安いミニヒーターで十分)

 可能な限り温度も水質も慣れせるのがベストと覚えておきましょう。

 ちなみにショップと自宅の水槽状況にもよるので断言はできませんが、既に元気な生体のいる水槽であれば大抵、pHショックの可能性より温度の急激な変化の方がよほどエビへの影響が大きいです。エビは1〜2度の温度差でもびっくりして体力が落ちます。

 ですから点滴法でしっかり温度管理できないくらいなら、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビの入った袋を水槽に2時間ほど浮かべて、しっかり水温を合わせるだけの方が無難だったりします。

※ただしエビの中でも特に繊細なビーシュリンプ系は、水温もpH・硬度もすべて合わせるのが鉄則でしょう。

ビーシュリンプは水質や水温の変化に注意

レッドビーシュリンプの水合わせはとても重要

(レッドビーシュリンプ)

 ビーシュリンプは他のヌマエビと違い、人間の手によって厳選交配されて誕生したこともあり、免疫力が弱い傾向にあります。

 繊細なエビの中でも、さらに繊細。

 色鮮やかで綺麗なビーシュリンプ達は水槽を華やかにしてくれますが、反面ちょっと飼育が難しいと言われるのも、こういった経緯があるんですね。

 とはいえ環境を整えてあげれば、誰でも飼育できます。

 注意点として導入時の水合わせ水換え飼育水の汚れなど、水質や水温の変化により気を使うことを忘れずに、管理してあげましょう。

 水の変化に気を使うエビ種の順位は、最も丈夫なヤマトヌマエビから順に、
ヤマトヌマエビ → ミナミヌマエビ → チェリーシュリンプ系 → ビーシュリンプ系
という感じです。

 とはいえヤマトでも熱帯魚より繊細という事はお忘れなく。

 ミナミとチェリーは近縁種なのでほぼ変わらないですが、チェリーの方が低温に弱い差があります。

エビ水槽の水換えは慎重に

 水温と水質の変化に敏感なエビは、水換えでも大きなダメージを受けやすいです。

 水槽と水道水のpH差や硬度差が大きい場合は、特に慎重に行います。
 pH差が1以上あるなら、pH調整剤で換え水pHを水槽pHに合わせるとショックは少なくなります。

 pH調整剤が無い場合、1度に大量の水を換えるのではなく少しずつ小まめに換えると、pH差の影響を受けづらくなります。

 さらに、エアチューブを使ってサイフォンの原理でゆっくり入れる方法も、なお優しいですね。

 ちなみに基本中の基本として、水道水を使う場合、カルキ抜きは絶対必要です。

 「知らなかった!」なんて人はあまりいないと思いますが、水道水の殺菌効果がある塩素はエビの大敵。必ず規定量のカルキ除去剤で塩素を無害化します。

足し水の水温は正確に!

 水換えで新しく追加する足し水温度は、水槽の温度と同じに合わせるのが鉄則。

 ヌマエビはたとえ1度の温度差でも過敏に反応しますから、同じ温度を作ります。
 ここで手を抜いて失敗するパターンは非常に多いです。

「2〜3度くらいなら誤差があっても大丈夫でしょ」なんて思ったら大間違い。温度差があるとエビは水槽内を大暴れします。
 バケツに汲み置きしてヒーターを投入するなど、誤差±0、5度くらいの範囲まで水温を作るのがベストです。

 バケツ水温をヒーターで調節する場合、プラスチックや樹脂製(ポリプロピレンなど)バケツは融けますから、カバー付きヒーターがおすすめ。
 またヒーターは電源を抜いてすぐ水から出すと壊れるので、温め終わったあと10分ほどは冷ましましょう。

 私は小型水槽の場合、給湯器で温めたお湯と水でぴったりの温度を作っています。
 ちなみに水槽とバケツで使う水温計が別々の場合、水温計の精度が酷く違うこともあります。。

水槽水温計の誤差が大きい

(右は26度、左は24度をちょっと下回る値)

 安い商品だからか、誤差が2度以上も。

 一時期、水換えでどうしてもエビの体調が悪くなるので試行錯誤した結果、けっきょく原因はこれでした。。
 一度同じ水槽内に沈めて、どのくらいの誤差があるか確認してみると良いでしょう。

 ちなみに一定温度を維持してくれるオートヒーターでも、商品によって温度差が大きい可能性があるので、水槽温度を一度確認しておくと安心です。

水道や給湯器の重金属成分

 給湯器は給湯配管に銅管を使ってる事が多いので、銅イオンに注意します。

 塩素はもちろんのこと、建物の築年数によっては水道菅内面が腐食してる状況もあり、宅内配管から溶け込む有害な重金属成分が、ヌマエビに影響を与える事も多々あります。

 近年の新築住宅では、宅内給水管がポリエチレン管や塩ビ管など重金属の溶け出さない樹脂管になっていますが、昔は鉄管や銅管を使った時代が長くありました。
 そのため、鉄や銅イオン、鉛などの重金属が水道水に微量に溶け込んでいることがあります。

 これが人間には影響のない濃度レベルだとしても、ヌマエビには大変有害です。

 重金属も中和するカルキ剤を使ったり、それでもエビの体調が改善しないときは浄水器の水を使うのもおすすめです。
アルカリ浄水器は不可!水槽用浄水器が安心です)

 ちなみに、水道管から溶け込む重金属は蛇口を開けて10秒ほど放水した後の水を使うと、濃い部分が排出されて多少緩和されます。

水槽と水道水のpH誤差

 上記の点をすべてクリアしても水換え時にヌマエビの挙動がおかしくなる時は、水道水のpHを疑います。

 水道水の水質基準値はpH5.8〜8.6の範囲と決められていますが、この許容範囲差でもエビにダメージを与えます。
 自分の家の水道水が酸性もしくはアルカリ性に大きく傾いてる可能性があるので、pH試験紙やpH測定試薬で調べてみましょう。水槽pHと大きな誤差があるかもしれません。

 差が大きい場合は、「水換え水量を少なくして回数を増やす」、「ゆっくり足していく」、「pH調整剤を使う」等ですね。

 エビはpHの急激な変化には弱いですが、徐々にであれば順応できる範囲は思ったより広いですから、足し水を極ゆっくりと行うと良いです。

早めの点滴法で足し水

 点滴法で足し水すると、生体へのストレスを減らす事ができます。
 点滴法といってもかなり早めのチョロチョロくらい。

 私のビーシュリンプ水槽でもエアチューブとコックを使い、足し水しています。

レッドビーシュリンプ水槽はエアチューブで水換え

(水槽pH5.9、足し水pH7.3ほど。点滴法でフィルターから足し水。)

 ゆっくり足していけば、ビーシュリンプも暴れることなくツマツマし続けています。

 ただし、入れる水量は少なく。この7L水槽で足し水1L程度を、10〜15分掛けて入れています。

ゆっくり足し水はどんな生体にも優しい

 ゆっくり足し水はエビ水槽に限らず、どんな生体でもダメージを軽減してくれる方法です。

エアチューブ等で水換え風景

(水換え風景。)

 私は他の水槽も、エアチューブより少し太いチューブでゆっくり入れています。

 少し時間は掛かりますが、入り切るまで放っておけばOK。
 抜いた水量と同じ分量作れば、溢れることはないですね。

 大きな水槽ではそうも言ってられませんが、ゆっくり入れることは生体に優しいんです。

ミニ水槽の足し水(給水)方法

(ホースが汚れててお恥ずかしい。。)

 特に容量の少ないミニ水槽は水換えで水質が大きく変わります。

「エビの調子が上がらない」「水換えで調子を崩す」なんて時は、試してみると良いでしょう。

ヌマエビは水温低めが好き

 何度も言いますが、ヌマエビは水温に敏感です。

 熱帯魚用のヒーターというと26度設定のものが多いですが、実はこれでも本来の自然環境から比べると高いくらい。自然界に近い23度〜24度くらいが本当は丁度いい温度です。
26°設定だから体調を崩すという意味ではありません。私も26度設定オートヒーターですし、26度で一定に保っていれば別に問題はありません。)

 水槽に入れるタンクメイトとして人気のヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどは、熱帯魚とは違い、冬のある日本の河川に生息してるくらいですから、正直、かなり冷たい温度でも生きていけます。

 なので夏場の暑い時期、水槽温度が30度以上になってくると、熱したエビのように体が赤白くなりバタバタと死んでいきます。
 ヤマトなどはあまりの暑さに水槽から飛び出してしまい、ひからびて亡くなってる事も。。

 そうならないためにも、夏の温度調節はエビ飼育にかなり重要なポイントです。

 もちろんこれは小エビに限った事ではなく、大半の熱帯魚や水草にとっても30度以上なんて野生環境に住んでいる訳ではないので、葉は溶けるように枯れてしまうし、魚の体力も奪っていきます。

 また、目に見えない大きな変化として、水槽内の水を浄化してくれている微生物(バクテリア)も30度を超えるとどんどん死滅し始め、水質が一気に悪化します。

 ヌマエビのいる水槽では最低でも29度以下、可能な限り23度〜26度の範囲内で常に一定の温度を保つように心掛けましょう。

暑い夏の水温を下げる方法と種類

夏用冷却ファンぴたっとファンサーモプラス

 暑い時期の水温を下げるには、予算があれば水槽用クーラーや部屋の室内エアコンで室温を下げるのがベストです。

 ですが水槽クーラーは意外と値が張りますし、水槽の設置場所によってはエアコンが使えない事もあるでしょう。

 そういった場合、水面に風を当てる冷却ファンタイプやエアーレーション気化熱を利用して水温を下げる、逆に蛍光灯照明の熱日当り風通しの悪さなど、水槽温度が上がる原因を意識的に排除するだけでも大きな効果があります。

 ちなみに私の玄関にある水槽もエアコンは無理なので、現在は冷却ファンと蛍光灯照明消灯などで対処しています。

 それでも小型水槽で30度以上になってしまう場合は、室内エアコンのある部屋に移し、室温28度設定にして冷却ファンが現実的でしょう。

 正直、音はうるさいですが、安価に水温を下げられるので非常に重宝してます。
 さらにこのNISSO「ぴたっとファン サーモプラスM」は、水温センサーで水温上昇に合わせて自動でオンオフしてくれます。

 照明のオンオフ設定は、自動管理してくれる電源タイマーに繋げると、“朝点灯して正午辺りの暑い時間は消灯、夕方点灯して夜中に消灯”なんて細かい管理も自動でしてくれるので凄い便利です。これは持っていて損の無いおすすめアイテム。

水槽に電源オンオフタイマー

 私が使ってるものはREVEXの「簡単デジタルタイマー」で型式がもう古いタイプですが、何年も毎日ちゃんと動いてくれてます。

(こちらが現行品。これも複数使ってます。)

CO2供給し過ぎで中毒(酸欠)

 水草優先の水槽にありがちなのが、CO2供給過剰による二酸化炭素中毒(からの酸欠)です。

 CO2なんてどこにでもある有り触れた気体なのに、濃度が高まるとこれ、我々が考えている以上に毒性があるんですね。
 大気中の二酸化炭素濃度が7%以上になると人間でも数分で意識不明、その状態が継続すると麻酔作用による呼吸機能停止で死に至ります。

 これは、大気中に酸素が通常通り約20%ほど存在していてもです。

 まあ、自然の大気全体のCO2割合は現状たったの約0.03%ですから、7%なんて濃度が濃い状態は通常ありえませんが、閉塞された水槽内では違います
 なにせ、強制的に添加してるんですから。

 ちなみに勘違いされてる方も多いですが、酸素より二酸化炭素の方が圧倒的に水に溶けやすいです。

 アクアリウムの水温設定に近い25度(1気圧時)で、酸素より約28倍も二酸化炭素の方が溶け込みます。そのため、CO2添加で魚やエビなど生体が死に至る濃度に上げることは案外簡単なんですね。

 参考として、水槽の水に溶け込んでいるCO2量が20mg/l以上になると魚に有害と言われてますが、添加する時の拡散器の気泡がそれほど非常識な量じゃないように見えても30mg/l以上の濃度はすぐ達します。特に水草が少なかったり水槽が小さければなおさら。

 現に水草のみの水槽なら、照明点灯時には30mg/l状態を維持し続ける玄人の方もけっこう居られます。そういう水槽には水草がぎっしり敷き詰められていますが。

「あれ?曝気作用でCO2はすぐ抜けるんじゃないの?」と思った人もいるかもしれません。(曝気とは液体に空気を触れさせること)

 実は、バケツに溜めた水を長期間そのまま放置し、安定した平衡状態のCO2濃度は水温25度で約0.5mg/l程度。大気中の二酸化炭素の割合はたった0.03%と希薄なので、いくら水に溶けやすいと言っても、大気と触れている水面から徐々に放出されます。
 だから、曝気を促すエアレーションとCO2添加を一緒に行うのは、意味が無いと言われるんですね。

 ただし水面から自然放出するより強制添加で溶け込むスピードが速ければ、CO2濃度はどんどん上がっていきます。

CO2添加量はエビの様子を見て加減する

「じゃあ、どのくらい添加すれば良いの?」

エビ飼育は観察で対応を決める

 ひとえに、このページのメイン主旨はエビ飼育ですから、どのくらいのCO2添加が最適かはエビの様子を観察するのが、一番分かり易いでしょう。
 エビの種類や個体ごとの調子でも、加減は変わりますから。

 エビの健康状態は、口回りと手の動きで見ろと言われます。

 場所をほとんど動かなくても、引っ切り無しに口と手を動かしコケをツマツマしている姿が元気の証。

 逆に、一カ所に留まらず激しく泳ぎ回ったり、口も体も動かさずにじっと静止している状態は、苦しんでたり元気が無いと疑いましょう。
 ただ単に水槽を覗き込む我々人間を警戒してるだけの時もありますが、それが原因であれば口だけはパクパク動いてるハズです。

エビの食事具合を見る

 さらにもう一つ、こんな見方も。

 ヤマトヌマエビやミナミヌマエビなど半透明に透けているエビなら、背中の中に黒いラインが見えます。
(下写真の赤矢印)

ヤマトヌマエビの腸管(背腸)が透けて見える

 これはエビの腸管(背腸“セワタ”とも言う)なんですが、ここが頭から尾まで黒く繋がっていれば、コケや微生物をしっかり食べてる元気な証拠です。

 健康なエビは24時間四六時中、何かしら食べてますから。

エビとCO2のちょっと深い話

 Tetraの「テトラテスト溶存CO2試薬(販売終了)」では、生体のいる水草水槽で5mg/l〜15mg/lが良いとされていますが、こればかりは水槽の大きさや水草と生体の量、pHや水硬度でも変わってきますから一概に言えません。

 15〜20mg/l程度が、一番水草が元気に育つという人もいます。

 私は水草量に関わらず照明点灯中5〜10mg/l程度を維持するのが、水草の生育にも充分ながらエビに影響しない理想値としています。

 ちなみに、ここまでCO2の過添加について書いてますが、CO2が無さ過ぎる環境もエビ類には問題だったりします。

 エビの甲羅の主成分は炭酸カルシウムなのですが、これはミネラルのカルシウムと二酸化炭素を使って丈夫な殻を維持しています。

 CO2は魚や水草やバクテリアの呼吸でも発生してますから、これに関して不足して問題になる事はほぼありませんが、頭の片隅に覚えておくと良いでしょう。

発酵式CO2のアルコール分に注意

 発酵式CO2ペットボトルで二酸化炭素を供給する場合は、アルコールの混入度合いにも注意しましょう。

発酵式ペットボトルCO2添加装置

 混入と言っても発酵してる液体が水槽に逆流する事ではありません。

 発酵によって発生したアルコールが気化して、CO2と一緒に水槽に気泡として少しずつ入ります。

 発酵式を一度でも作った事がある人なら分かると思いますが、ペットボトルから発生する気体を嗅ぐと、酒臭い香りがしますよね。

 気化した程度のわずかな成分量なので驚くほど怖がらなくても大丈夫ですが、小エビは過敏に反応することがあります。小さい水槽は特に。

 ただこのアルコール分は水槽のバクテリア環境に良い作用もあり、全く駄目なものではありません。

エビ飼育と発酵式CO2ペットボトルの添加調整

 エビを飼育してるミニ水槽で発酵式ペットボトルを使う場合は、エビの様子を見ながら、調子がおかしい時は出したり止めたりの調整を心掛けましょう。

 大きい水槽になれば、気を使う事は少なくなります。また、魚と水草のみのエビが居ない水槽であれば、発酵式のアルコール分程度で心配は要りません。

エビは酸欠しやすい

 エビは魚と同じエラ呼吸ですが、魚に比べて酸素の取り込みが苦手で酸欠になりやすいと言われています。

 確かに水槽で繁殖するミナミヌマエビやビーシュリンプは、エアレーションすることで格段に調子を上げやすいんですね。
 シュリンプ水槽に底面フィルターやスポンジフィルターが定番となったのも、エアーによる吹き上げの効果は大きいでしょう。

エビの仕草と健康状態

 そのため水面付近に複数エビが集まる状況は、水温が高過ぎたり水槽内が酸欠気味だったり、良くない場合があります。
 水温が上昇すると酸素が溶け込みにくくなるんです。

 この一番効果的な対処方法はやはり、すぐエアーレーション、そして適度な水換えです。

 もちろん焦って大量に水を換えるのは厳禁。大量の水換えによる水質の変化が、さらにダメージとなります。

 3分の1〜4分の1程度の一般的な水換えで、充分改善されます。

 これで改善されないようでは、高過ぎる水温が既に致命傷となっているでしょう。水温管理の問題です。

 また、エアーポンプを使わなくても、シャワーパイプやフィルター流水で水面を揺らすだけで、酸素溶解度は格段に上がります。
 そして気化熱の効果(放熱)で、水温の上昇も抑えやすい。

外掛けフィルターで水面を揺らして酸素供給

(外掛けフィルターで水面を揺らして酸素供給)

 繁殖して数の増えたシュリンプ水槽は、より酸素濃度を意識してあげましょう。

その他ヌマエビが体調を悪くする原因

 上記に挙げた急激な水温差やpHなど水質の変化CO2添加酸素濃度の他にも、ヌマエビが体調を悪くする原因があります。

 以下で思い当たる場合は、各項目ごと解決していくようにしましょう。

水草の残留農薬は猛毒

 大手ホームセンターなどで販売される水草の多くは、海外の原生地から輸送されたものの可能性が高いです。
 その場合、検疫法により海外から病原菌やウィルスを国内に持ち込まないように、水草にしっかりと農薬処理が施されています。

 エビにとって農薬は猛毒です。

 しかも、農薬処理された水草をいくらきれいに洗っても、植物が吸収し取り込んでしまった残留農薬は、たとえわずかでもエビを致死させてしまいます。

 特に、アヌビアスナナ類クリプトコリネなど、茎や葉のしっかりした成長の遅い種類は、国内で増やしにくく、海外から取り寄せた農薬汚染個体が流通している場合がほとんどです。
 完全にエビに無害となるレベルまで水草がクリーンになるには、流水で育てて数ヶ月から半年、水槽で水換えだと半年から1年掛かるとも。

 金魚や熱帯魚は小エビに比べて多少は農薬に耐性があるので、「この水槽の水草は、既に魚が大丈夫だから」という理由で安易にエビを追加するのにも、注意が必要です。
 残留農薬はエビだけでなく、さらに脆弱な濾過バクテリアまで殺してしまいますから、水草を入れたら水が白濁りしたり油膜が増えたりすることもあります。そんな水質でエビの元気がないのは当たり前ですね。

 水草を買う場合は、エビが一緒に泳いでる水槽の水草や、“無農薬”と明示された商品を選ぶようにしましょう。

 また、このところ流通量が増えているカップ入り組織培養水草も、レパートリーはまだ少な目ですが農薬をまったく使わず生産されており、エビ水槽に持って来いの人気商品です。

 私が愛用してる通販ショップチャームさんの水草は、「エビNG」「残留農薬処理済み」「無農薬」といった案内表示が明記されているので、安心しておすすめできます。

 参考までに、私の水槽のアヌビアスナナプチもチャームさんで仕入れましたが、水槽立ち上げから植え込み、ネオンテトラやラスボラ辺りのメジャーな熱帯魚も初めから特に問題ありませんでした。

アヌビアスナナプチが大型に成長

 現在は5年目でサイズも最初の10倍近くまで成長し、株分けしてさらに増えています。

アヌビアスナナプチを株分けして繁殖

 ヌマエビがツマツマとコケを掃除してくれます。葉がミニサイズなので小型水槽にも最適です。

バクテリア環境が完全に整っていない

 新しい水槽の立ち上げが不完全で、水をきれいにするバクテリア環境が整っていない状態も、エビに大きなダメージを与えます。

 有機物 ⇒ アンモニア ⇒ 亜硝酸塩 ⇒ 硝酸塩

 濾過バクテリアの定着した水槽では、上記のような硝化作用が行われます。
 濾過バクテリアが未熟だと有毒な“アンモニア”や“亜硝酸塩”が漂い、敏感なヌマエビは死活問題です。

 “硝酸塩”までのバクテリア分解がスムーズに行われ始めると、水は綺麗に透き通ります。

 ちなみに水質が安定しないからと言って、“水を綺麗にするバクテリアの元”といった市販バクテリア添加剤の類いはあまりおすすめ出来ません。

 濾過バクテリアは空気中どこにでも存在してますから、立ち上げを正しく行えば勝手に着床して増えてくれます。バクテリア添加剤は本当に必要なバクテリアと競合してしまうけっこう邪魔な存在になることも。

長生きのミナミヌマエビ

(うちの水槽の一番大きい長生きミナミヌマエビ。甲羅の模様がカッコいい。)

硝酸塩濃度も高いと有害

 濾過バクテリアがしっかり定着していても、硝酸塩濃度が高まれば有害です。

 硝酸塩を低濃度に保つには、適切な頻度で水換えするのはもちろん、硝酸塩の発生元として水槽サイズに適した魚数餌の加減が大切です。

 また、豊富な水草に吸収してもらうのも効果的です。

底床掃除で排泄物汚れを綺麗にする

 ソイルなど底床内に汚泥がたくさん蓄積してるなら、水換えと一緒に底床掃除を行いましょう。

 汚泥は有機物の塊ですが、飼育水に溶け込む有機成分が多過ぎると、エビは体調を崩します。

 特にビーシュリンプは過敏に反応します。

底床汚泥の蓄積はビーシュリンプに有害

 とはいえ有機物は、エビの好物である微生物の栄養源でもあるので、100%完全に除去してしまうのも逆効果なんですね。
 がっつり掃除してしまうと、さらに濾過バクテリア環境も破壊してしまう。

 そこでおすすめはTDSメーター

 TDS値(ppm)は、微弱な電気の流れ方で水に溶け込む不純物量を数値で表してくれます。

(信頼度の高いアメリカHMデジタル社製TDSメーター)

 TDS値は有機物や硝酸イオン、肥料のミネラルイオン等もすべて含めた数値ですから、施肥や添加剤を入れず純粋にカルキだけ抜いた水換えなら、汚泥の問題がなければTDS値は下がります。

 つまり「水換えしてもTDS値が思うように下がらない」「水換えして半日経つとTDS値が上昇してる」なんて場合は、濾過フィルターの汚れ底床汚泥が問題と分かります。

 私は繊細なビーシュリンプ水槽では、160ppm未満を基準にしています。
 ビーシュリンプの調子がイマイチで160ppm以上なら、底床掃除を行うという感じ。

岩石やサンドの影響でアルカリ性

 レイアウトとしての岩石や“水を綺麗にする”と謳われるようなサンド(底床)などの投入物によって水がアルカリ性に傾くと、酸性では危険度の低いアンモニウムイオンが猛毒のアンモニアに変わり、アンモニア中毒の危険が高まります。

 このアルカリに傾く変化は、水温が上昇しても起こり易くなります。

 まあでもこれは、バクテリアによる硝化作用がうまく機能していれば、それほど問題ではありません。硝化によってアンモニアが硝酸までスムーズに分解されていきますから。

 ぶっちゃけ、大自然のヌマエビでもpH8近くのアルカリ性水質にも順応して元気に育ちます。
 ですから、弱酸性から中性がエビ飼育しやすい理想の環境ですけど、やはり立ち上げをどれだけしっかり行ったかが重要です。

 もちろん、いくらアルカリ性に順応しているエビでも突然のpH変化には弱いですから、別水槽に移す際や足し水は、pHの違いに徐々に慣らしながら慎重に行いましょう。
 また、順応するといってもやはり本来は弱酸性から中性が好みですから、アルカリ性に傾いた水槽では若干ヌマエビが抱卵しにくい事もあります。

水草用トリートメントや液肥のしすぎ

 水草の調子を良くしようと過剰に施肥すると、コケの増殖や水質の悪化に繋がります。どれだけ評判の良い肥料商品であっても、同じです。

 水草液肥で多用されるカリウムイオンや鉄イオンは、上手に使えば効果抜群ですが、添加し過ぎればpHを変化させたり水を汚して、エビにダメージを与えます。

 もちろん「使っては駄目」と言うわけでは当然ありません。
 ただ、訳も分からず説明書の規定量そのまま使うのではなく、特に初心者は極少量ずつ試すのがおすすめです。

GH(総硬度)KH(炭酸塩硬度)が高い

 GH(総硬度)およびKH(炭酸塩硬度)が高いとヌマエビの不快感は高くなります。

 これ、pHが高い事と同じように思うかもしれませんが別物です。
 もちろんGHが高くなれば相対的にpHも上昇していきますが、同じpHでもGHは変わります。そしてKHも同様に変わります。

 pH8近くでもヌマエビが順応すると言ったポイントがここで、経験上pHが高くてもGHやKHが低めだと、それほど体長不良に陥らなくなります。

 お住まいの水道水pHが高い場合、どうしても水槽pHは上がりやすくなります。そこで調整剤で無理してpHを下げようとしても、飼育水がいろんな意味で汚れてヌマエビの体調に影響します。

 また、カリウム系固形肥料などはバクテリアに分解されながら徐々に効果が出てきます。
 そのため「イマイチ効きが悪い」なんて必要以上に添加してしまう失敗が案外多いです。カリウムイオンが増加すれば炭酸水素イオンも増えて、KHがぐんぐん増加してしまいます。

 一番分かり良いのは、ご自分の水槽でGH値やKH値を日々計測してみること。

 漠然とでも水質の状態が分かってくると頻繁に使用することもなくなります。
 それほど高い物でもないので、目に見えない変化を知り、より理解したいという方は一度使ってみると良いでしょう。

 私の経験では、エビの調子が抜群に良い時は水質がだいたいKH3以下、GH2〜4の範囲にあります。

 そして、

この二点を意識しましょう。

水槽に洗剤の混入

 綺麗好きな方の中には、水槽の各種装備品を洗剤で洗うという人もいます。

 また私もエアーストーンやCO2拡散器、フィルターパイプ類を漂白剤で掃除し、メンテナンスする場合もあります。

エアストーンを漂白剤で掃除

 洗剤や漂白剤で洗ったとしても、成分が残らないように綺麗に洗い流せば別に問題ありませんが、少しでも残っていれば大問題です。

 私は、水槽に入れる装備品について基本的に洗剤は不要だと思っていますが、化学成分等のすすぎ残しには充分に注意しましょう。

殺虫剤や虫除けスプレーが水槽に掛からないように

 水槽の近くで殺虫剤虫除けスプレーを使うと、水槽に溶け込んでしまう事があります。エアレーションのためエアーポンプを使ってる場合は特に注意です。

 これも意外と気付かずにやってしまう失敗。

 また、最近の人気商品である消臭スプレーや、ゴキブリ・ダニを退治する燻煙剤(バルサンやアースレッドなど)も、水槽に最悪のダメージを与えます。

「家族が勝手に」なんて事の無いよう、伝えておくと良いです。

ヌマエビ飼育まとめ

ミナミヌマエビの正しい飼育方法

 ヌマエビが落ちる原因となるものを、私の実際の経験で得た知る限りの知識から挙げてみました。

 このページに挙げた内容すべてを行わなくてもエビが元気でいてくれればそれで良いですし、もし体調が悪くなっても対策できる内容を網羅してるのではと思います。

 種類にもよりますが、エビは熱帯魚よりも変化に弱く、敏感に反応します。
 魚が大丈夫だからと安易に投入しても、上手く飼育できない事が多いんですね。

 特に、黒髭ゴケや茶ゴケがすぐ発生するような環境は、注意しましょう。
 エビ達が過ごしやすい環境は、酷いコケ被害になりにくいものです。

 生体数が過密で水換えも少ないから硝酸塩濃度が高かったり、水草への無闇な施肥や添加剤で水が富栄養化して、汚れを助長してるかもしれません。

 “エビがどのタイミングで体調を崩したか”
その原因を探る事がエビに居心地いい環境を作る近道だと思います。

 なんにせよ、ツマツマする可愛いエビの姿を安心してみれる水槽環境を作りたいものです。

 

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