水槽水面の油膜を見て水質環境を改善する方法。

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水槽水面の油膜は水質環境の目安!考え方と対処法で改善!

 実際に水槽を管理・維持していれば誰もが遭遇する現象が、水面の油膜です。

 「気泡がいつまでも消えない」「はっきりと白い膜が出来る」「水面が虹色に乱反射する」など、程度や種類に違いはありますが、すべて油膜と呼ばれています。

 特に、外部フィルターや上部フィルターの出水口を水中に設置して、水面を撹拌(かくはん)しないような水流環境を作ってる水槽では、油膜が目に見えて現れやすくなります。

水槽水面の油膜とフィルター出水口の設置具合

 実は油膜をすぐ無くしたいなら、流水やエアーストーン(エアレーション)を使って水面を撹拌すれば、案外簡単に消えてとりあえず解決できます。
 これはWEBでググれば、すぐに見つかりますよね。

 とは言っても別に、上から流し込むシャワー放水や滝流水、エアーポンプ等で水面を撹拌した方が良いと言っている訳ではありません。

 水草のためにCO2添加している場合は水面を波立たせると無駄にCO2が水槽外に放出してしまうから嫌とか、水草の揺らぎ方や穏やかな情景を作るためにわざわざ水面をざわつかせないようにする事もあるでしょう。

 この他にも、私は水槽からのチャポチャポする水音が嫌で、ノズル口を水面下に沈めてるところもあります。

 確かにただ油膜を無くしたいだけなら、流水を工夫したりエアーバブルを入れれば見えなくなります。でもそれって、根本的な原因に対処できてないですよね。

 本当なら発生するはずの油膜をかき混ぜて見えなくするだけじゃ、水槽にどんな問題が起きてるか、水質がどのくらい汚れてるかといった原因も分からないし、一時的に誤摩化してそれを放っておけばもっと環境が崩れて、さらに酷い問題が起きてしまう可能性もあります。

 だから私は油膜を、水質環境を整えて水槽内のバランスを保つ目安と捉えています。

 今回は、そんな私の油膜の考え方と対処法について書いてみます。

油膜が発生する原因は?

 まず、どうして水槽に油膜が発生するのか、その理由を知らなければ対策できませんから、原因を考えてみます。

 ちなみに油膜は、水槽内の死滅したバクテリアなど有機物(タンパク質)、それに群がる細菌が水面に集まったものと言われています。確かに水槽に油なんて基本的に厳禁ですし、入るとしても餌のわずかな油脂分くらいですね。

 つまり一つ言える事は、油膜が発生した状況では、水槽内にある栄養の需要と供給バランスが崩れているということ。供給過多になっています。

 それは外部から水槽に入ってくる栄養が多過ぎて水槽で処理しきれないか、もしくは今まで処理できていた水槽内の何かが、活動の低下や数の減少によって処理しきれなくなったと推測できます。

 その栄養バランスの崩れる主な理由を挙げてみます。

餌の与え過ぎ

 は、水槽外部から入って増える最も分かり易い栄養分です。
 水槽の汚れは熱帯魚やエビの排泄物が溜まるからというのが常識ですが、その糞やアンモニアの元となるのが餌ですね。

餌の与え過ぎで油膜が発生する

 もちろん餌を与えない訳にはいきませんが、与え過ぎは水槽環境を崩して水質を悪化させる原因になります。水の富栄養化は、油膜どころか茶ゴケや黒髭ゴケの発生も助長してしまいます。

 なので、餌の与え過ぎに注意しましょう。

 魚のサイズで与える量や頻度は変わりますが、小型魚のみの私の水槽では水に沈まない浮遊餌を基本1日に1度、1〜2分程度で食べ終わる量を与えています。
 沈降性の沈む餌は食べ残しが分かりづらいので、特に注意が必要です。

 餌のやり過ぎは、自分のさじ加減ひとつで簡単に対処できますから、やらない手はありません。

生体数が多過ぎる過密水槽

 水槽サイズ以上に生体数が多過ぎれば、そのぶん富栄養化が加速します。過密になればなるほど糞が増えるのだから当然です。

 これを改善するには、水換えの頻度を増やすか生体を別水槽に分けて過密具合を軽減します。
 無いとは思いますが、間違っても魚を殺して数を減らすなんて止めましょう。そんな人は生き物を飼う資格が無いと思いますから。

 水換えでは、油膜と一緒に水槽の底に沈んでいる排泄物も吸い出すと、より富栄養化が抑えられます。
 ただあまり底床深くまでガサガサと掃除し過ぎるのは、濾過バクテリアの活動を低下させて逆効果にもなるので、表面に沈んでいる糞を吸い出す程度に行うと良いです。

水草の減少と活力低下

 水草は水槽内の栄養を吸収して生命活動を行っています。
 つまり、水槽内にある総栄養中で水草が必要とする一定の割合があり、それでバランスを保っていれば問題ないのですが、水草の活力が低下すれば吸収する栄養素もその分減り、消化しきれない余剰分が富栄養化に繋がります。

 水草の元気が落ちる場面は例えば、大きくトリミングした時や植え替えた時、また部分的に根ごと撤去して水草量が減ったときも、消化しきれない余剰分が発生します。

 対策はやはり、水換えで余剰の栄養分を排出するか、可能であれば餌の分量や回数を減らします。
 水草を早く元気にしようと安易に肥料を与えるのは厳禁。逆にさらに余分な栄養を添加してしまう事もあります。

 水草肥料について詳しくは、こちらもご覧ください。



濾過バクテリアの減少

 何らかの理由で濾過バクテリアが死滅・減少すると、油膜が発生します。

 水質浄化に必要不可欠な濾過バクテリアは主に、濾過フィルター内とソイルや大磯砂など底床内で繁殖します。

 濾過バクテリアが減少する理由は例えば、底床(砂利)やフィルターの掃除のし過ぎ、水槽水温の極端な上昇や低下、飼育水に溶け込んでいる酸素の欠乏や、二酸化炭素の添加し過ぎ等もあります。

 逆に、長期間フィルターを掃除しない場合も発生する場合があります。
 フィルターが汚れで目詰まりして流量が低下し、水槽やフィルター内の酸欠が促進されるんですね。

 この他、アクアリウム初心者が思わずやりがちなのが、水換えでカルキ抜きしていない水道水を使う、水草用ではなく観葉植物用の液肥を成分も考えずに入れてしまう、フィルター掃除に使う水が極端に冷水だったり水道水そのままなど。

 また、外部フィルターや上部フィルターを長時間停止してしまい、酸欠や低温でフィルターに着床していたバクテリアをうっかり全滅させてしまうなんて事も油膜に繋がります。

 濾過バクテリアは目で確認できないので何気に存在を忘れてしまいますが、バクテリアも熱帯魚やエビと同じ生き物ですから、同等の気遣いが必要です。

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水槽の油膜が起こす弊害

 水槽の油膜による弊害は、ただ見栄えが悪いというだけでは当然ありません。

 もっとも注意しなければならないのが、水槽水の溶存酸素量が低下することです。

 油膜が水面を覆ってしまうと、水面から溶け込む酸素、そして二酸化炭素が放出される現象を遮ってしまうので、水槽内の生体が酸欠(による二酸化炭素中毒)を起こしやすくなります。

 また、夏場は水の蒸発によって水温を冷却する効果(気化熱)がありますが、油膜に邪魔されると水槽に熱がこもりやすく、水温上昇を加速します。
 水温が高温になると、生体はもちろんバクテリアにも大きな被害が出ますから、水槽環境の悪化を何倍にも早めてしまいます。

油膜の水換え対処法で水質改善!

 既に発生してしまった油膜の最善の対処法は、油膜撤去と水換えです。
 無駄な栄養である油膜はさっさと除去してしまいましょう。

 原因がある程度予測できて対策したからと言って、放置しておいて勝手に改善されるなんて期待は、しない方が賢明でしょう。

 油膜が出る水槽では飼育環境が改善されない限りずっと余剰の有機物(タンパク質)が発生しますから、環境改善を意識します。

 油膜の発生した飼育水は一見綺麗に見えても、水質や酸素の低下に敏感なヌマエビにじわじわとダメージを与える事もよくあります。
 得てして熱帯魚たちはケロッとしてるんですけども。

 エビたちが物陰に隠れてじっとしていたり、コケをツマツマしていても動きが鈍く、時々手の動きを止めてボーッとする仕草は、水の汚れや酸欠で気分が優れない証拠です。
 体調が良い時は、引っ切り無しにコケをむさぼる姿が見れますから。

「やけにエビが見当たらないな」と思ったら、水面に浮いている油膜を取って綺麗な水を足してあげましょう。
 隠れてたエビ達がわらわら出てきて、活発にコケ掃除する姿が見れると思います。

油膜掃除アイテムはお手製でも充分

水槽の油膜掃除にお手製アイテム

 私の油膜掃除アイテムはお手製、というか、ペットボトルを半分に切っただけの自作とも言えないくらい簡素なもの。

 バケツの縁に引っ掛けられるようにビニールタイ(電気配線を束ねる針金入りのビニール)を付けただけで、それでも充分過ぎるほど使えています。

水面の油膜をすくう自作道具

 水換えの際、油膜を引っ張り込むように沈めながら水面をすくって綺麗にします。

水換えの排水を観葉植物に水やりすると一石二鳥

 ちなみに、水換えで排出した飼育水をそのまま観葉植物の水やりに使うと、ただの水より有機分が多く、冬場はさらに水温も適度に温湯だから、植物にも土中のバクテリアにもとても良いです。
 捨てるものを有効活用して一石二鳥。

 市販で“油膜とりシート”なんて商品があるみたいだけど、どうなんでしょう?
 使った事はないですが、これで充分事足りてます。

エアーポンプが駄目な訳じゃない

 油膜による酸素濃度の低下を素早く改善できるのは、やはりエアーポンプによる送風(エアレーション)が一番です。

 これは水面の油膜をかき混ぜるためではなく、酸素を供給するために効果的ということ。
 もちろん水面も対流して油膜も消しちゃいますから、余剰の栄養分である油膜は先に取り除いてからエアーを送るのがおすすめです。

 ちなみにエアーストーンで油膜を散らすのが全然駄目という訳ではありません。

 油膜の発生をコントロールできる知識と環境があるのなら、多少の油膜は散らしてしまって逆に水面を綺麗に保っている方が、生体にとっても水槽の見栄え的にも良いですね。

 ただ、知識も経験もなく無闇に油膜を撹拌するのでは、問題を後回しにしてしまいます。
 それよりは、油膜の発生原因を模索しながら不要な油膜を直接取り除く方が、安定した水槽環境を作る近道と思うわけです。

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油膜の考え方と対処法まとめ

 水槽の油膜について、私の考え方と対処法を書いてみました。

 この写真の水槽は極端に酷い油膜は出ませんが、それでも水換えしないで一週間もすると、写真のような泡の消えにくい薄い油膜がわずかに出てきます。

水槽水面の油膜の考え方と対処法で改善

 これも20L弱の水槽に小型熱帯魚6匹とヌマエビが5匹とまあまあの生体数ながら、水草の養分吸収度合いが少し足りないからと感じています。
 充分に安定してるレベルですけど、これ以上に水換えの手間を減らして均衡を保つなら、肥料要求度の高い水草を入れて増やすか、魚を1〜2匹減らす(避難させる)のが最善でしょう。

 そうは言っても水槽が小さいので、水換えを1週間以上空けると水の蒸発による水量低下も著しく、水面が下がると水槽の見栄えも悪くなりますから、けっきょく1週間くらいの水換えが一番良いペースなんですよね。

 

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