ミニ水槽のCO2添加に安い拡散筒の具合を試してみた
水草とエビのいるミニ水槽でCO2(二酸化炭素)の添加量は重要なポイントです。
CO2が少ないと水草の成長が遅く、苔が付きやすく見た目も悪くなりますし、かといってCO2が多すぎれば、繊細なエビが体長を崩して元気に育てる事も出来ません。
そこで前から気になっていた、CO2の溶解具合が目で見て分かる拡散筒を使ってみる事にしました。
水作のCO2拡散筒セットを選択
CO2拡散筒はアクアリウムメーカー数社から発売されていますが、今回は水作製の拡散筒「CO2添加セット」を購入。
好みにもよるでしょうけど、透明な筒は水槽内の見た目もスッキリして、私は好きです。
2018.3、追記
※水作「CO2添加セット」は取り扱い終了のようです。ということで、類似品はテトラ「CO2キット」のみになってます。
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CO2フルセット Tetra(テトラ)CO2キット 関東当日便
まあ構造も簡単なので、使い勝手はそれほど変わらないでしょう。
CO2拡散筒の歴史は古い
CO2拡散筒の歴史は古く、現在主流のボンベ式より以前からあったようです。
ただ、CO2気体が水と接する面積は筒の直径に制限されるため、水量の多い大型水槽だと溶け込むCO2量に限界があり、逆に筒を太くすると水槽の景観を損ねるデメリットがありますね。
また、拡散筒周辺のCO2濃度が偏って高くなるとも言われてるようです。
ですが今回ミニ水槽でCO2拡散筒を試してみたくなった理由は、CO2を水中で溶かし込むため水面から逃がす量が少なく、添加の無駄もなく溶解量がはっきりと分かりますし、ミニ水槽であれば充分過ぎるほど添加する事が可能な点です。
これまで発酵式CO2ペットボトルのみで添加していましたが、流量調節できないのでヌマエビに影響して嫌がって泳ぎ回る事もあり、エビの体調を崩さず水草も良い効果が得られるCO2量を調べてみたくなりました。
拡散筒はスターターセット(フルセット)でも安いので、低予算飼育がテーマの私のアクアリウムにぴったりですし。
炭酸ガスが溶ける状況がよく分かる
実際に拡散筒を設置し、炭酸ガス(CO2ガス)を筒内に溜めてみました。
初めはどの程度溶けていくのか全く予想もつきませんでしたが、正直、私が考えていたよりも早く筒内の気体がどんどん減っていく状況がよく分かります。
水に溶け込んでいく気体量は水量や現状のCO2濃度でも変わると思いますが、水温26度で1時間あたり5ccほどでしょうか。
ただ数時間ほど添加し続けて分かったのは、ミニ水槽ほど急激に水質が変わってしまうと言うこと。
この拡散筒を試してみたかった第一理由は、ヌマエビの体調を崩さずに添加できるCO2量を知りたいという事でしたが、これではすぐにエビの挙動に異変が現れます。
そのうち水面に仰向けになって手をもぞもぞし始めるエビも現れました。二酸化炭素中毒による酸欠で、息苦しいのでしょう。。
初日は最終的に20ccほど添加しましたが、そこですぐ止めました。
CO2拡散筒の設置場所で多少の改善
その後、設置場所をヘアーグラス上部でさらに水流の真下になるように、拡散筒を移動して様子を見てみました。
これでも10ccほど添加したところで、エビは腹ヒレ(!?)を仰ぎ出し、後ろ足で背を掻く仕草を始めました。こうなるとそのうち水槽内を勢いよく泳ぎ始めます。。
CO2拡散筒とエビの具合まとめ
CO2拡散筒を試してみて思ったのは、CO2を無駄なく溶解させる事はできるが、狙った濃度に上げるのは難しい事、そして筒の太さに比例して溶解スピードは上がるので、体積の小さいミニ水槽になるほど、細い筒径が使いやすそうです。
つまり拡散筒でCO2濃度の上昇を緩やかにするには、筒を細くするか、炭酸ガス充填を少しずつ小刻みに行うしかありませんから、変化の大きいミニ水槽ではエビに良い添加装置とは言えないのが結論でした。
これなら発酵式ペットボトルで拡散器(エアーストーン)を水面に近づけて添加量を調整した方が、水質の変化が徐々に変えられると思います。
まあ今回の拡散筒による二酸化炭素の添加量程度では、エビ以外の熱帯魚には全く問題ない水質変化でしたから、エビがいなければミニ水槽にも充分使える添加方法かなと。
あと、水草の量が増えればその分、エビに影響の出ない許容CO2量も多くなるでしょうから、私の水槽の水草が少ない(水草量に合わない)だけとも言えそうです。
正直、水草ボリュームが理想に近づいたら、無駄にCO2を使ってトリミングの手間が増えるよりは、苔の抑制程度に添加する方が効率が良いので、その時になれば、かなり少量でも添加できる拡散筒は好都合かもしれません。
とりあえずもう少し使って様子を見てみますので、何かしら良い結果が得られれば、また追記します。
なお、小型魚のいる水槽では、稀にこういう事もあるみたいです。。
筒の中に偶然入って出られなくなってるアルビノグローライトテトラ。。
その後の追記
一週間ほど、エビの様子を見ながらCO2添加量を変えてみたのですが、このミニ水槽(約20リットル容量)では、5cc程度の添加がエビの体調にも影響が出ず最適量(限界量というべきか)でした。
(左端の添加筒が5cc弱の状態)
写真の通り水槽内は水草も少なく、水量に対しての生体数もそれなりに入ってるので(写真では分かりづらいですが小型魚7匹エビ3匹)、植物のCO2消費量はそれほどでない上に、夜間時の熱帯魚や水草の生体呼吸によるCO2発生もあります。
だから5cc程度の添加でも苔抑制には充分なようですし、ヘアーグラスやナナプチなどの葉色や艶も良い状態を維持できています。
CO2効果による水草の成長速度はそれほどではないですが、葉長が間延びせずに丁度いいCO2濃度なのかもしれません。
このくらいなら維持費も安いし。
そう考えれば、拡散筒も使い方次第で案外ミニ水槽に具合が良いですね。配線も無く、ごく少量から添加調整できるのですから。
今回は付属の炭酸ガススプレーで注入してますけど、これなら「発酵式ペットボトルで朝に必要量を補充して」なんて使い方もできますね。・・それは手間か。。
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